武器ストーリー 553 文字
冷徹な意志がこもった奇妙な果実。微かな苦渋を醸し出している。
原文553 文字
フィンドニールの祭司の娘がこの白の樹の下で誕生したとき、 祝福と共に、緑豊かな山脈の国は喜びに満ちた。 シャール·フィンドニールの幸福は永遠に、 大地をまたぐ枯れることのない白銀の樹のように—— だれもがそう、思っていた。 かつて無数の人や事柄を見てきた記録者ですら、 姫の美貌と才徳は月の光のように清らかに輝く… しかし世界を凍らす鋭釘が突如降り、 この樹さえも粉々に砕かれた時、 あの少女は一本の枝を持っていった、 この国を覆い隠す樹の命をつなぎとめるために。 しかし結局、それも叶わぬ夢となった。 刃のように冷たい吹雪は、月の明かりを遮ってしまった… それから長い月日が経った遥か昔—— 漆黒の龍と風の龍が命をかけて戦い、 腐植の血が灰のような山を赤に染めたとき、 樹は自身がまだ死んでいないと気づき、 貪欲なまでに、自らの根で大地の温かみに触れた。 誰かが穢れの無い緋紅のエキスを流し込んだ故、 当の昔に死んでいた白の樹は、過去を思い出し、 すべての力で、果実を実らせた… 我が守った者、我に祈りをささげた祭司、 我のそばで絵を描いていた美しい少女、 手にしたことのない幸せが、緋紅の果実となる。 悪の世界に正義をもたらすことができる者に、 「苦しみ」を乗り越えられる、正義を捧げよう。