キャラクター詳細
岩王帝君が璃月港に繁盛をもたらし、世を治めた彼の威名は演義として言い伝えられている。だが最も神に近い人間の一人——刻晴は最も敬畏の心を持っていない者だ。
「はあ、言い方が悪いかもしれないけど、彼って本当に何でも知ってるの?」
璃月七星が常に港での一切を見守っているのに対して、岩王帝君は年に一度しか顔を出さないのよ。
千年の歴史は帝君につくことが正しいと証明してくれたが、刻晴はそれは少し違うと思っている。「人」として生まれたのなら、「人」としての誇り、「人」としての考えも大事にすべきだ、というのが彼女の考えである。
よって、彼女はいつも帝君と違った意見を主張し、それを率先して行動に移す。
このような過激なやり方で、確かにたくさんの成果を出してきた一方、岩王帝君の信徒の反感を招いた。
このような反感は、刻晴から見れば、ただの怠け者の言い訳に過ぎない——神に甘えっぱなしで、自発的に人間の未来を考えない人。
新たな時代を切り拓いていくリーダーに自分はなるのだ。
キャラクターストーリー1
名門出身の刻晴は多くの璃月人よりも、岩王帝君が璃月に与えた影響を深く理解している。
まるで輪廻は巡るように、数年ごとにある迎仙儀式の終了後、璃月の商業界には必ず大きな変化が訪れる。帝君が下した政策に、璃月の心が左右される。喜ぶ者がいれば悩む者もいる。
貧しい人はこれを機に大金を稼ごうとする。一方金持ちは自分の事業が影響されないように祈る。経済建設に力を入れるより、商人は信仰型の投資を気に入る。
現在の璃月がそういう風になってもおかしくはない。帝君の神権に頼っていれば、お金に困ることはない。
刻晴はずっとこれを問題視していた。もしいつか、帝君がこの責任を履行しなくなったら、璃月はどうなるか?
璃月の現在の繁栄は、砂浜に建てた壮大な砂の城のようだ。海の潮の流れを決めるのは人間ではない。
当然なことに、刻晴の考えを支持する人は少ない。他人からすれば、人間の一生など、璃月に比べると瞬きほどの刹那で、杞憂するに値しない。
だが刻晴は違うと考える。そのだらしなく弱い考えこそが、人類の存在意義を否定する。存在意義のない人間は、守る意味もなくなる。
人々にもっと進歩して欲しいと、彼女は勇敢に疑問を抱いた——帝君の愛は溺愛ではないか?なぜだらしない人がいるのか?社会の動き方は正しいのか?
人の運命に関することは人が行う。そして人はきっと上手くやっていけるはずだ。
そしてついに、彼女が迎仙儀式であの名言を生み出した。
「ここ千年、帝君がずっと璃月を守ってきました。しかし千年後、一万年後、十万年後も、私たちを守ってくれますか?」
この発言を聞いた帝君は意味ありげに笑った。その笑いにどんな意味があるのかは、帝君しか知らないだろう。
キャラクターストーリー2
刻晴の考えに追いつける人がいたとしても、彼女の行動に追いつける人はいない。
人々の手本になるため、刻晴はいつも他人の数倍の努力をしている。同時に彼女は全ての「怠惰」と「非効率」を嫌っていた。
人類の権力も寿命も神とは比べ物にならない。にも関わらず、怠惰と躊躇にかまけていては、神を統治者の座から引きずり降ろす日は永遠に来なくなる。
その考えのせいで、彼女の行動はいつになっても他人と同調できなかった。
仕事が終えるまで、彼女は決して休まない。例え、半月かかる仕事でも、彼女はなんとかして1、2日に完成する。
刻晴の「完成」はただ終わらせるのではなく、その業務に関するあらゆる細部まで、完成させることを意味する。他人からすれば、刻晴はいつも効率的で完璧だ。
しかし、刻晴のような行動力を持つ人はほとんどいない。彼女の仕事に協力した者は、皆三ヶ月以内に辞めていく。
「そんな急がなくてもいいじゃないですか」と刻晴は何度も訴えかけられたが、彼女は全て無視した。
しかし、頻繁に人員を変更するのも非効率的だと気付き、刻晴は一応譲歩した。
現在、刻晴の協力者たちが3年後や5年後の計画に着手してるところを見かけても、決して驚くことのないように——先に行かせてやっているだけで、刻晴は彼らにすぐ追いつくだろう。
キャラクターストーリー3
「昨日の経験は明日の力になる」これが刻晴の人生の信条の一つである。
玉京台にいるだけでは、世界の変化を感じることはできない。雷霆の如き判断力と決断力を手に入れたいなら、大量の経験を積み重ねなければならない。
やりがいがあると思ったことを、刻晴は必ず自分でやる。昔、労働者の給与を改善する計画を作る際、彼女は現場に行き、作業員の生活を二ヶ月間、体験した。
身分も地位も高い少女が、層岩巨淵で車を引いたり、南埠頭で労働者の経験をしたり、飲食店でホールを担当していたとは想像しがたいことである。
また、仕事のついでに、労働者を圧搾した悪徳商人を通報することもあった。
悪徳商人は捕まった時、自分はなぜ逮捕されたかさえも分からなかった。彼が千岩軍に取調室に移動されると、そこには凛とした一人の少女がいた。
「俺…俺たちどっかで会ったことあるよな?」
その言葉は、彼自身も理解できなかった。
何故かというと、隣りの千岩軍は少女についてこう紹介したからだ。「この方が璃月七星の玉衡様です、なれなれしくするな!」
——そうだ、そんなはずはないよな?
キャラクターストーリー4
岩王帝君が去ったことにより、璃月港は窮地に立たされた。帝君が仕切るべきだったことを、今は七星八門が担当している。
神による統治は、すでに歴史となり、昔の規則もそのまま引き継ぐわけにはいかない。しかし、千年の歴史を持つ璃月に、新たな規則を制定するのは大変難しいことだった。
始め、刻晴はわくわくしていた。この日のために、彼女はたくさん準備をしていた。だが数ヶ月経っても、彼女は土地建設の仕事だけで精一杯だった。
彼女がどう頑張っても泥沼のように積まれた仕事から抜け出せない。仮に何かを遂げたとしても、それは帝君にとっては朝飯前のことだった。
「なんでここまでしかできないの、なんで…もっとできないの?」
理由は簡単だ。そして、彼女にもすでに分かっている。
自分の「不敬」が神に認められたとは言え…今の自分は「神に取って代わる存在」になったわけではない。
しかし、刻晴の信念は強く、決して揺らがない。
あの日から彼女は家に引きこもり、様々な典籍を読み、必要な知識を再度学び直した。過去のプライドを捨て、新しい姿で未知なることと向き合う。
その時間は、彼女は謙虚にし、今まで岩王帝君への「対抗」意識を捨てさせた。
帝君と刻晴、二人とも千年の璃月のために奔走している——同じものを愛するものの間に、対立はないはず。
昔の迎仙儀式で、帝君が浮かべた謎の笑顔の意味が、今なら分かる気がする。あれはある意味認められ、期待されていた笑顔ではないのかと刻晴は思っている。
今も彼女はかつての行動力を維持している。しかし迷った時、彼女は一旦止まり「帝君ならどうするのかしら?」と考えるようになった。
キャラクターストーリー5
自分のほとんどの時間を璃月に捧げた刻晴は、時間がある際は、意外な方法で暇つぶしをする—。買い物だ。
休みの日、彼女は素朴な服を着て、友達を2、3人誘い、緋雲の丘とチ虎岩で買い物をする。
帝君がいなくなって以来、忙しくなった刻晴は、今でもこうしてストレスを発散する。ただ、少し変化がある。
ある日、買い物中の彼女は、ある小さな店で岩王帝君の二頭身土偶を見かけた。
刻晴はすぐに適当な理由をつけて、友達を別の店に行かせた。そして彼女は店に入り、土偶をよく観察した。
こんなことに時間を多く使うわけにはいかない。周りで誰も見ていないことを確認した彼女は、購入、支払い、商品の受け取りを一気に済ませる。
かばんに土偶を入れた後、刻晴はほっと息を吐いた。思わず笑顔を浮かべた瞬間、肩を友達が叩いた。
結局、この件は皆に知られてしまう。一番神を敬っていなかった刻晴が、なぜ帝君の土偶を買ったのかと皆が驚いた。
「わ、私は自分を諫めるために買ったの!ダメなことじゃないよね!」
「自分を諫める」ことは、一応筋が通る。しかしこのような「自分を諫める」ためのグッズを、刻晴はすでに一棚分購入していた。
九死一生のヘアピン
璃月七星という身分に相応しくあるため、貴族出身のお嬢様である刻晴は、最低限の贅沢な生活を送っている。
繁華街に出没する以外、彼女は荒野で修行し自分の意志を鍛える。
冒険経験が豊富な彼女は、普通の冒険者との間に少し違いがある。彼女の荷物はヘアピンと剣だけだ。
雷元素力を付着させたヘアピンは、切れ味が鋭いナイフになり、柴刈りや獲物の処理をする際に活躍できる。
高低差が激しい場所でも、ヘアピンを地面に差し込み、その上に藤をつければ、簡単に降りることができる。
野宿する時は、ヘアピンを逆さまにして地面に差し込めば、非常に精巧な警報装置となり、何かあればすぐ、刻晴を呼び起こすような仕込みになっている。
そして、お腹が空いた時は、水中にヘアピンを投げ込めば、運の悪かった魚が何匹浮いてくる——串を用意しなくても焼き魚を楽しめる。
物を見る目がない人に、ヘアピンがボロボロだよと突っ込まれても刻晴が怒ることはない。むしろ誇りに思っている。
「使い込まれているものの方が、魅力的に見えるのよ」
神の目
「神の目」に敬意を払わない者のランキングがあれば、刻晴は恐らく一二を争う者だ。
それは、刻晴にも分かっている。自分の努力の成果は、他人からすれば全て「神の目」のお陰だと思われていることを。
そのため、彼女はこの紫色の結晶体を、自分の誇りを奪い去った、神からの挑発と侮辱だと考えていた。
「神の目」を破壊するために、彼女は無数の方法を試してきた。強火で丸3日間焼いてみたり、たくさんの石を載せた鉱車で轢いてみたり、または、群玉閣の窓から捨ててみたりもした。
しかし残念ながら、これらの方法は全て失敗に終わった。
成す術がなくなった刻晴は、悪人が持つより自分が保管するほうがまだマシだと、仕方なく「神の目」の存在を受け入れた。
だが時を経て、刻晴は次第に「神の目」を認めるようになった。神の目には、神の意識は存在しておらず、むしろ様々な場面で活躍できると気づいたのだ。彼女は、この力を活かしていくことを決めた。
「力の源よりも大切なのは、その所有者よ」
過去の「神の目」に対する意見がどうであれ、今では、この力はもはや刻晴の一部となっていた。
あの時、神の目が壊れなくてよかった。でないと、今頃きっと後悔しているだろう——彼女は実用主義者なのだから。