物理ダメージ+25%。
敵を倒した後の10秒間、重撃の際にスタミナを消費しない。また、重撃のダメージ+50%。
血に黒く染められ、鋼鉄のように硬くなった花。過去の持ち主にとって、記念品の一つかもしれない。
助けられた仕女が騎士の胸の前につけてあげた花。元は真っ白な花であったが… 殺戮の中、血に染まっては乾きを繰り返すうち、やがて黒く硬く変わり果てた。 遊侠の騎士が初めて魔物を倒し、仕女を助けたとき、 騎士は謝礼を断り、代わりに仕女から真っ白な花をもらった。 「騎士道の実践こそが、騎士の報酬。」 「褒賞はこの花だけで十分だ。」 その日以来、一度も外されることのなかった花は、幾度となく血に染まり、 騎士の銀色の兜と共に、冬夜のごとく黒く、 騎士の心と共に、焼き抜かれた鉄のごとく硬くなっていった。
騎士のマントにあった羽根、大量の黒い血を浴びたせいで黒に染まった。
血染めの騎士の身体についていた幾多の鴉の羽——そのうちの一本。 鴉は賢い動物だ。血を渇望する者を主とみなし、ついていけば飢えることはないと知っている。 いつしか血染めの騎士は分からなくなっていた——己の身体から漂う血の匂いが、 敵のものなのか、それとも自分のものなのか… そして、ようやく悟ったのだ。長年の殺し合いの果てに、守り抜いてきたはずの騎士道こそが、 「純白の騎士」を魔物のごとき悪鬼羅刹へと堕としてしまったことを。 彼の傍にいるのは、血の足跡を辿って集う鴉の群れだけであった。
騎士が使用していた時計。中の液体は完全に固体になり、時計としての機能を失った。
血染めの騎士が足を踏み入れたのは、太陽も月も星も昇らない、地下深くに広がる空間。 これは時間を測る唯一の道具だったが、もはや騎士にとって時間そのものに意味はなくなっていた。 人の世界を離れる前の、「血染めの騎士」の最後の物語である。 血で黒く染まった騎士は知っていた——地上にはもう自分の居場所などないことを。 ゆえに滅びた古国に足を踏み入れ、魔物の巣窟の前で命を落とす道を選んだのだ。 しかし世界の果てに辿り着き、彼は知ってしまう——古国の終末と魔物の起源を… 「偉大なる古国は理不尽な裁きを受け、」 「偉大なる古国の民は怪物となり果てた。」 「我が騎士道は、かような不公平を断じて許さん。」 「その道の名が『アビス』であるならば——私はアビスに忠誠を誓おう。」
血染めの騎士が持つ金属の杯。外側は硝煙と乾いた血の影響で黒くなった。
精巧で美しい金の装飾が施された銀盃。かつては英雄の功績が刻まれていたが、 血や煤にまみれ、今では真っ黒になり、元の姿は窺えない。 立ち上る煙を見て駆けつけた魔物狩りの騎士は敵を倒したものの、 焼け落ちた瓦礫の中に、もう助けを待つ人はいなかった。 失敗に苦しむ騎士の前に、煤で黒ずんだ盃が転がっていた。その盃に向かって、騎士はこう決意する—— 悪を根絶し、弱き者を救う——騎士道を最後まで貫き通す、と。
騎士が顔を隠すための鉄仮面、仮面の下の顔は誰も知らない。
華麗な白金色の鉄仮面。ある名門の出である騎士の所持物であった。 血に染まって真っ黒になっており、元の色にはもう戻らないだろう。 百回目の魔物狩りを終え、騎士が被害に遭った人々に手を差し伸べたとき、 一人の女性が悲鳴を上げ、その手を払いのけた。そのとき初めて、血染めの騎士は気づいた—— 戦いの中で、敵と自らの血に染まった自分の顔が、 いつしか魔物より獰猛なものになっていたことを。 「ならば、この鉄の仮面を私の顔としよう。」 「血に染まったこの醜い顔を——」 「我が騎士道で守られる者に見せる必要はないのだから。」