エミリエ
命ノ星座:ポムム·ドゥ·アンブラ座 誕生日:9/22
所属:フォンテーヌ廷 CV:日笠陽子
人物
秘密を瓶の中に隠す、フォンテーヌの調香師。[1]
署名および捺印のある委任状と秘密保持契約書を執律庭の警察隊員に見せた後、エミリエは規制線を越え、事件現場に入った。 事前に必要な情報——死者の数、状態、そして清掃する範囲——を知らされていたため、エミリエは好奇心を示したり、余計な質問をしたりしなかった。 遺体および損壊の激しい物は既に撤去してある。彼女は現場を入念に観察した。見逃しやすい、または清掃しにくく気を付ける必要のある箇所を、黙々と頭の中に刻み込む。 エミリエは様々な事件現場を見てきた。場数を重ねるにつれ、血しぶきの飛ぶ方向、人体組織の痕跡、そして物の倒れた状態から、そこで起きたことを大まかに推測できるようになっていた。 しかし、そういったことは彼女の責務ではない。ごく稀に、その経験を活かして執律庭の現場検証を手伝う依頼も受けるが、今回はそういう例外的なものではなかった。既に調査は済んでいるため、「特殊清掃人」として彼女がやるべきことはただ、この事件に終止符を打つことだけ。 だから黙ったまま防護服に着替えゴーグルを付け、作業を始めた。すべて順調だ。錆びた色、濃い褐色、さらに黒い痕跡も化学製剤によって溶け落ち、ドロドロの組織と鋭い破片も分類され清掃されてゆく。おぞましい光景と生臭い匂いが、まるでキャンパスに間違って塗られた絵の具のように、まとめてこそぎ取られた。 清掃が終わった後、彼女はドアの外で待っていた警察隊員を呼んだ。警察隊員は感謝の意と別れの挨拶を伝えた後、規制線の解除に取り掛かった。 一方、エミリエは黙々と元の服に着替えた。考えずにいられないのだ——死者はおそらく、家族に見守られながら既に弔われただろう。しかし、その身体の一部は今になってようやく安らかに眠れる。 帽子を整えてから軽く頷くと、彼女は綺麗になった部屋、そして見知らぬ人へと最後の別れを告げる。まるで、その葬式に参列しているかのように。 ゲーム内「キャラクターストーリー1」
周囲からの評
声優
| 日本語 | 日笠陽子 |
| 英語 | Amber Aviles |
| 中国語 | 木子橙 |
| 韓国語 | 권다예 |
出典
- ゲーム内キャラクタープロフィール
- ゲーム内キャラクターストーリー
- 魔神任務/ゲーム内キャラクターストーリー
- ゲーム内ボイス
レベル
90計算式は既知の4キャラ・12項目で照合済み(誤差0)。突破は各レベル帯の最大段階。
天賦戦闘3・固有3
説明はゲーム内テキストの全文。数値は天賦Lv10時点のもの。

通常攻撃
槍による最大4段の連続攻撃を行う。
重撃
一定のスタミナを消費し、斬り上げ攻撃を発動する。
落下攻撃
空中から落下し地面に衝撃を与える。経路上の敵を攻撃し、落下時に範囲ダメージを与える。
| 倍率など | Lv10 |
|---|---|
| 1段ダメージ | 96.0% |
| 2段ダメージ | 88.7% |
| 3段ダメージ | 117.2% |
| 4段ダメージ | 148.5% |
| 重撃ダメージ | 180.5% |
| 重撃スタミナ消費 | 25.0 |
| 落下期間のダメージ | 126.4% |
| 低空/高空落下攻撃ダメージ | 252.7%/315.6% |

ルミドゥースの瓶を創り、草元素範囲ダメージを与える。
ルミドゥースの瓶
·一定時間ごとに近くの敵に「純露の息」を噴射し、草元素ダメージを与える。
·近くの敵が燃焼状態の時、一定時間ごとに「芳香」を生成する。この方法で生成できる「芳香」は2秒毎に1つのみ。ルミドゥースの瓶は近くの芳香を集める。芳香を2つ集めると瓶のランクが上がり、純露の息を噴射する時、追加で純露の息を1回噴射し、上記の攻撃によるダメージと攻撃範囲をアップさせる。
·エミリエ自身が創造したルミドゥースの瓶は1つのみ存在可能。ルミドゥースの瓶の初期ランクは1で、最大ランク2まで上げられる。ただし、フィールド上に存在する間、8秒間芳香を集められない状態が続くと、ランクは1に戻る。
アルケー:プネウマ
エミリエがこの方法でルミドゥースの瓶を創った後、前方に敵を貫く霊息の棘を召喚し、プネウマを帯びた草元素ダメージを与える。一定時間ごとに発動可能。
「この世の景色はまるで、無数の香りと色…そしてのんびりとした歌が織りなすハーモニーのよう…」
| 倍率など | Lv10 |
|---|---|
| スキルダメージ | 84.7% |
| ルミドゥースの瓶·ランク1の攻撃ダメージ | 71.3% |
| ルミドゥースの瓶·ランク2の攻撃ダメージ | 151.2%×2 |
| ルミドゥースの瓶の継続時間 | 22.0秒 |
| 霊息の棘のダメージ | 69.3% |
| 霊息の棘のクールタイム | 10.0秒 |
| スキルのクールタイム | 14.0秒 |

瓶に集まったアロマを純粋な草元素の力に変え、既存のルミドゥースの瓶を回収してルミドゥースの瓶·ランク3を創る。
ルミドゥースの瓶·ランク3は近くの芳香を集めないが、代わりに「薫る雫」を降らせ、範囲内の敵を攻撃して草元素ダメージを与える。継続期間中、0.3秒毎に薫る雫が1滴降る。この時、それぞれの敵は0.7秒毎に1回だけターゲットとして選ばれる。
継続時間が終了すると、再びランク1のルミドゥースの瓶が創られる。「アロマティック·アナライズ」発動時にルミドゥースの瓶を回収していた場合は、代わりに回収した瓶を配置し、瓶の継続時間をリセットする。
アロマティック·アナライズ継続期間中、元素スキル「フレグランス·アコード」はルミドゥースの瓶を生成しなくなる。
どんな香水であっても、空気に触れた瞬間から、その香りは時間とともに変化し、やがて風や草木のささやきに溶けていきます。ある意味、人々は永遠に同じ香水を楽しむことはできない、ということです。
生きとし生ける者の軌跡も同じです——香水は人生を物語っているとも言えるでしょう。
| 倍率など | Lv10 |
|---|---|
| ルミドゥースの瓶·ランク3の攻撃ダメージ | 391.0% |
| ルミドゥースの瓶·ランク3の継続時間 | 2.8秒 |
| クールタイム | 13.5秒 |
| 元素エネルギー | 50 |

芳香を2つ集めるたびに、ルミドゥースの瓶·ランク2は芳香を消費して「清露コロン」を出し、敵にエミリエの攻撃力600%分の草元素範囲ダメージを与える。このダメージは元素スキルダメージと見なされない。

エミリエが燃焼状態の敵に与えるダメージをエミリエの攻撃力を基にアップする。攻撃力1000につき、ダメージ+15%。この方法でアップできるダメージは最大36%まで。

フィールド上にエミリエ自身が創造したルミドゥースの瓶が存在するとき、周囲のチーム全員の燃焼ダメージへの炎元素耐性+85%。
命ノ星座全6重
同じキャラをもう1体引くと1重ずつ開く。第3重と第5重は元素スキル・元素爆発のレベルが上がる枠で、 残りの4つが挙動そのものを変える。

フレグランス・アコードと固有天賦「余香」の清露コロンによるダメージ+20%。固有天賦「余香」を解放する必要がある。
また、付近にいるチーム内キャラクターが敵に燃焼反応を起こした時、または燃焼状態の敵に草元素ダメージを与えた時、追加で芳香を1生成する。この効果は2.9秒毎に1回のみ発動可能。

フレグランス・アコード、アロマティック・アナライズ、または固有天賦「余香」の清露コロン(該当の固有天賦を解放する必要がある)が敵に命中した時、その敵の草元素耐性-30%、継続時間10秒。

フレグランス·アコードのスキルLv.+3。
最大Lv.15まで。

アロマティック·アナライズの継続時間+2秒。かつ、敵が薫る雫のターゲットとして選ばれる間隔-0.3秒。

アロマティック·アナライズのスキルLv.+3。
最大Lv.15まで。

フレグランス·アコードまたはアロマティック·アナライズ発動時、エミリエは「留まる香り」を獲得する。継続時間5秒。
継続期間中、エミリエが通常攻撃または重撃を行うと、芳香が1生成される。さらに、エミリエの通常攻撃と重撃は元素付与によって他の元素に変化しない草元素ダメージへと変わり、与えるダメージがエミリエの攻撃力の300%分アップする。
「留まる香り」効果は、この方法で芳香を4生成した時、または継続時間終了時に解除され、12秒毎に1回のみ獲得できる。
育成
推奨(聖遺物・武器・編成)は原神 Wiki* のこのキャラのページに載っている構成の名前と並び順をそのまま写したもの。選ばれている理由や評価は向こうの本文にある。素材の必要数はゲームデータそのもの。
聖遺物
| 部位 | メインOP |
|---|---|
武器
並びは推奨順。
| 武器 | レア | 入手 |
|---|---|---|
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★★★★★ | 限定祈願 |
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★★★★★ | 限定祈願 |
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★★★★★ | 限定祈願 |
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★★★★★ | 祈願 |
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★★★★ | 限定祈願 |
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★★★★ | 紀行 |
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★★★★ | 祈願 |
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★★★★ | イベント |
編成例
6原神 Wiki* に載っている編成の名前とメンバー。
必要な素材
ここはゲームデータそのもの。モラは突破と天賦を合わせて 5,377,500。
突破(Lv90まで)
天賦(戦闘天賦3種をLv10まで)
1種だけ上げるならおよそ3分の1。知恵の冠は1種につき1個。
ゲーム内のキャラクターストーリー全 8件。原文のまま。
キャラクター詳細
香水にまつわることを話すとき、それは往々にして長く続くものだ。 香水の香調をテーマにする場合、トップノートで人を惹きつけてから徐々に使用者と一つとなり、最後は余香だけを残して静かに消えるまでの一連の流れを語れる。 香水の設計理念をテーマにする場合、人々に爽やかで楽しげな気持ちを届けたいのか、それとも謎めいた魅力的なオーラを纏わせたいのかについて議論を広げられる。 香水の適用場面をテーマにする場合、社交的なダンスパーティーに適しているのか、それとも私的なデートで雰囲気を演出するのに適しているのか、といった議論もできる。 上記のいずれも香水と密接な関係にあり、エミリエから見ると、議論に十分値する内容だ。それに比べ、調香師が誰なのかは香水選びにおいて必須ではない。 顧客たちの考えや流行の傾向はコントロールし難い。ある種の安心感を求める集団心理は、人々に有名なブランドやデザイナーの作品を買わせる。何故なら、そうしたほうが「ハズレ」を引きにくいからだ。 一方、名声は諸刃の剣とも言える。名声が高ければ高いほど、悪評を受ける可能性も高くなる。それに影響され、慎んだ言動を余儀なくされる者が大勢いる。 しかし、フォンテーヌの香水業界でかなり有名な調香師であるエミリエは、そういった悩みを抱えていないようだ。 彼女の作品はより自由で気ままであり、調香に対して憂いを一切持っていない——なぜなら、エミリエの本当の職務は他にあるのだから。ゲーム内テキスト
キャラクターストーリー1
署名および捺印のある委任状と秘密保持契約書を執律庭の警察隊員に見せた後、エミリエは規制線を越え、事件現場に入った。 事前に必要な情報——死者の数、状態、そして清掃する範囲——を知らされていたため、エミリエは好奇心を示したり、余計な質問をしたりしなかった。 遺体および損壊の激しい物は既に撤去してある。彼女は現場を入念に観察した。見逃しやすい、または清掃しにくく気を付ける必要のある箇所を、黙々と頭の中に刻み込む。 エミリエは様々な事件現場を見てきた。場数を重ねるにつれ、血しぶきの飛ぶ方向、人体組織の痕跡、そして物の倒れた状態から、そこで起きたことを大まかに推測できるようになっていた。 しかし、そういったことは彼女の責務ではない。ごく稀に、その経験を活かして執律庭の現場検証を手伝う依頼も受けるが、今回はそういう例外的なものではなかった。既に調査は済んでいるため、「特殊清掃人」として彼女がやるべきことはただ、この事件に終止符を打つことだけ。 だから黙ったまま防護服に着替えゴーグルを付け、作業を始めた。すべて順調だ。錆びた色、濃い褐色、さらに黒い痕跡も化学製剤によって溶け落ち、ドロドロの組織と鋭い破片も分類され清掃されてゆく。おぞましい光景と生臭い匂いが、まるでキャンパスに間違って塗られた絵の具のように、まとめてこそぎ取られた。 清掃が終わった後、彼女はドアの外で待っていた警察隊員を呼んだ。警察隊員は感謝の意と別れの挨拶を伝えた後、規制線の解除に取り掛かった。 一方、エミリエは黙々と元の服に着替えた。考えずにいられないのだ——死者はおそらく、家族に見守られながら既に弔われただろう。しかし、その身体の一部は今になってようやく安らかに眠れる。 帽子を整えてから軽く頷くと、彼女は綺麗になった部屋、そして見知らぬ人へと最後の別れを告げる。まるで、その葬式に参列しているかのように。ゲーム内テキスト
キャラクターストーリー2
ある心理学の理論によると、創造力に富んだ人ほど、身の回りの物の整理と配置を気にしない傾向にあるらしい——フォンテーヌの雑誌やタブロイド紙の隅には、似たような性格分析の文章がしばし掲載される。もしかしたら編集者たちは、ある共通の認識を持っているのかもしれない——読者はこのような情報の断片を繋ぎ合わせて自分の理解を深めるのが好きで、記憶力もよくない、と。 こういった理論は明らかに古臭い。何故なら、家の埃を見逃すことなく掃除するエミリエに、創造力が欠けているとは言えないからだ。本人の謙遜からくる発言はさておき、彼女の調香師としての名声からすると、エミリエの創造力が欠けていると断言することは、即ちフォンテーヌの香水業界を否定しているような行為に他ならない。 ただ、エミリエの住居はあまりに清潔すぎる。目が届く範囲にはほぼ物を置いておらず、すべてが丁寧に収納空間に仕舞われ、人が住んでいる痕跡もほとんど見当たらない。たまに訪ねてくる友人——例えば千織は、これはある種の強迫性障害による行為なのではとストレートに聞いたことがある。 それに対して、エミリエはただ微笑を見せてから、「そうするしかないだけです。」と答えた。 エミリエの家は決して広いとは言えない。だがそんな空間に作業室が二つも存在している。うち一つは調香用、もう一つは仕事関連の化学製剤を調合するためのものだ。どちらも容器を気軽に置ける環境ではないため、生まれつき片付けを好んでいるわけではなくとも、エミリエは段々物を規則正しく整理して収納する習慣を身につけていった。それどころか、自分の生活の異なる部分まではっきり分離させる習慣も身につけたのだ。 驚異的な自制心だが、彼女にはいとも容易くできた。異なる容器に分けられた危険な薬剤の如く、彼女の思考は一つの瓶の中で思う存分創造力を発揮した後、もう一つの瓶の中ですぐ静かな状態に戻るのだ。ゲーム内テキスト
キャラクターストーリー3
暇があれば、エミリエはよく実家に行き、両親と共に晩餐を楽しむようにしている。 マレショーセ·ファントムの警察隊員である父親と法医学者である母親は退勤後、よく同僚——人間またはメリュジーヌを家に招く。一見普通のダイニングルームに見えるが、一体どれほど非日常的な会話がここで交わされてきたか、想像に難くないだろう。 それらの会話の中で、エミリエの成長にまつわる話題は比較的まともな部類に入る。 同年代の子供たちが絵本を読んでいた頃、エミリエは既に母親の専門書を読んでいた。不思議な化学反応に魅せられ、彼女は関連する知識を勉強し始めた。「とても役立つ知識ですが、将来はどんな仕事に就いたらいいのでしょう?」「鑑識課には入れるかもしれないな。」と父がアドバイスをくれた。 「だが、この業界の仕事にはどれも危険が伴う。その気があるなら、まずは護身術を教えてやろう。」と、父は付け加えた。 それから長い間、エミリエはそれを目標に頑張ってきた。 ある日、両親が食事の前にワインを手にしながら、感慨深げにある出来事を語った—— 「マレショーセ·ファントムの責務は真実の解明だ。辛いだろうと思うが、その後のことは被害者の家族自身がやるしかないんだ。この前、自殺した者がいてな。血塗れになったカーペットを今でも覚えている。警察が自殺だという結論を出したあと、その場を後にしたが、被害者の両親はどんな気持ちで事件の現場を片付けたんだろうか」。 目的がどうあれ、化学物質が互いに反応を起こす性質は人の気持ちと似ている。 もしかしたら…自分が力になれるかもしれない。 と、エミリエは考え、実行に移した。自身の職業を「特殊清掃人」と名付け、元々鑑識に使われていた化学薬剤を調整し、現場の遺留物を消す清掃用の薬剤に変えた。 無論、現場が綺麗になったところで、被害者の苦痛を取り除くことはできない。ただ、その家族の辛い思いを少なくとも分かち合うことができたらいいとエミリエは思っている。ゲーム内テキスト
キャラクターストーリー4
運命は不公平だ。誰もが自分の趣味に費やす余裕があるわけではない。だからエミリエは、そういった機会を特に大切にしている。 香水を集めるのは母の趣味だが、仕事の都合上、それをつけることは滅多になかった。そのため、コレクションとして保管されていた香水は、やがてエミリエの宝物となった。彼女はキラキラする瓶と中に入っている澄み切った液体が好きで、香りが混じり合う不思議な現象も楽しんでいた。 その後、調香という趣味から、各地を旅することに夢中になった。 人けのない雪山だけでなく、匂いが入り混じる異国の市場にも行ったことがある。匂いは形を持たず、見過ごされがちだが、人が住む環境を作る大事な要素の一つだ。好感を持つ匂いの傾向は皆よく似ているのに対して、エミリエはすべてを受け入れている。良いもの、悪いもの、シンプルなもの、複雑なもの、エミリエは心の中で分類し、自分が世界を認識する架け橋を作った。 普段、無意識に感じる香りが贅沢品ではないのと同じように、香水もそうでなくてはならない。 しかし、これは明らかに商売の規則に背いている。何故なら、宝石のように透き通った香水は、スポットライトを浴びたショーケースに入れられ、高値で売られるに相応しいものだからだ。 エミリエは所詮愛好家に過ぎず、そういった規則を変える力はない。だから、彼女の多くの作品は陳列棚に並ぶ機会すらなかった。外で労働する者のために虫よけや汗止めの香水をデザインしたことがある。しかし、これは明らかにロマンが足りない。メリュジーヌのために彼女たちが好きそうな香水を調合したことがある。しかし、人間の間では受けが良くなかった。 これらのことに対して、エミリエが残念に思ったことはない。必要とする相手に直接自分の作品が届くだけで、彼女は満足なのだ。 無論、エミリエにも残念なことはある。例えば、容器をひっくり返されたり、化学薬品を誤飲されたりするリスクがあるため動物を飼えない点だ。だから公園を散歩するときだけが、動物——他人の飼い犬——と遊べる唯一の機会となる。 犬たちと遊ぶときは無論香水はつけない。なぜなら、エミリエは鼻が敏感な動物たちと友達になりたいのだから。ゲーム内テキスト
キャラクターストーリー5
一部の現象を説明するために、人々はよく集団的な規律から仮説を立てようとする。 「特殊清掃人」の仕事中、エミリエは様々な人体組織を処理する必要がある。その中にはフォンテーヌ人のものもあれば、そうでないものもある。適切な清掃用の薬剤を調合する際、そういった区別に注意を払っているため、彼女は段々とある事実に気付くことができた——フォンテーヌ人の身体の構造は、どうやら他の国の人とは僅かながらに違うということに。 水面下で調査を進めた結果、ほとんどの人がこの差に気付いていないことが分かった。気付いた人もごく少数いたが、この違いはフォンテーヌ特有の環境によるものだと考えていた。生まれつき薄毛になりやすい地域や、指が細長い地域が存在するのと同じで、似たような環境で育った人の共通点に過ぎないのだと。 エミリエはひとまずその説を受け入れたが、漠然とそう単純なことではないと感じていた。 この状態は、例の「予言」が終わるまで続いた——新しい清掃依頼を受けた彼女は、今までフォンテーヌ人と異国人の間に存在していた微かな違いが、まるでハナから存在しなかったかのように、水に流されていることに気付いたのである。 熟考した末、エミリエは答えを探すことに決めた。 彼女はエピクレシス歌劇場でフォンテーヌ人の起源を説明したとされる最高審判官ヌヴィレットを訪ね、心の中にある疑問を提示したのだ。 最高審判官は少し考えた後、彼女にこう教えた。「今のフォンテーヌ人はもう、本物の人間になったのだ。」 「今の」というのはつまり、「予言」が現実になる前と後で、フォンテーヌ人の身に確かな変化が訪れたことを意味する。 これを知れただけで十分だ。詳細な説明ではなく、彼女が必要としたのは、ただの事実確認。この件の裏にある真実は、自分のような一般人が関わっていいことではないと、エミリエは悟った。執律庭との協力の中、数え切れないほど秘密保持契約書にサインしてきたが、今回は書面的な縛りがなくとも、沈黙を貫く必要があると理解した。 いや…もしかすると、これはさほど重要なことではないのかもしれない。何故なら、普段の生活に影響もなければ、相手の国籍を考慮する必要がなくなったおかげで、むしろ仕事がシンプルになったと言える。 だからエミリエはこの秘密を、今まで見てきた喜びと悲しみと一緒に、心の中に封印した。ゲーム内テキスト
『ノンフィクション』
特巡隊隊長シュヴルーズは、エミリエについてこう評価したことがある——「ロマンのある人ではない」と。 ロマンは調香師によく寄せられる期待だと言ってもいいだろう。この点について、エミリエはシュヴルーズに真剣に説明したことがある。「香水が販売された後、使用者それぞれの理解は調香師がコントロールできるものではありません。私自身はマルコット草から子供時代を思い出せるのに対して、愛情や励まし、さらには遺憾を覚える人もいるでしょう。一つの物事に対する感情は人それぞれで、当事者の経歴と関係しており、一概に言うことはできません。香水をデザインする際に香りの開発ではなく、ただただ特定のケース、あるいは特定の感情におけるロマンだけを追い求めていたら、逆に望む結果を得られない可能性が高くなります。」 「それがスクラップブックを作ってる理由か?人々の経歴を集めるために?」シュヴルーズは彼女に問いかける。 半々といったところだと、エミリエは思った。そのためにわざわざスクラップブックを作っているわけではなく、あくまで個人的な読書習慣の一部に過ぎない。ただ確かに、作りものの小説よりも実際に起きた出来事のほうが興味はそそられた。 彼女が作ったスクラップブックにある内容は、その大半がシリアスな記事だが、「今年の奇天烈事件トップ10」に入るほどユニークなニュースもある。こういった内容はよく、友人との会話のネタになっている。 一方、シュヴルーズは小説を読むのが好きだ。 この理屈でいくと、もしかしたら特巡隊隊長こそがロマンのある人なのかもしれない。しかし、犯罪小説に夢中な特巡隊隊長は登場人物たちの葛藤をあまり深く理解できず、責任の取り方を誰かと議論するのが好きなようだ。 やはりロマンがあるとは言えないだろう。 異なる好みを持ちながらも、似たような考え方を持っているからこそ、二人は友人になれたのかもしれない。ゲーム内テキスト
神の目
エミリエが受ける清掃の依頼は、往々にして事件の調査が終わった後に来る。彼女が現場に着く頃には、残された見張り役しかいないのが常だ。おかげで静かに仕事を終わらせることができる。 しかしながら、静かではない現場もある。 ある日、現場に着いた彼女は、規制線の外を虚ろな様子で徘徊する被害者の家族を見かけた。その若い女性の目には光がなく、何をすればいいのか分からないというのが伝わって来た。ただただ、その場から離れたくないようだ。 実際、彼女の仕事がこれによって影響を受けることはない。いつも通り書類を見せてから現場に入り、清掃を終わらせることだってできる。何故なら、それが彼女の唯一の責務であり、決まった手順に従ってすべてを片付ければいいだけなのだから。 しかし、彼女は躊躇った。見張りの警察隊員に挨拶をした後、徘徊する人のもとに足を運んだ。 それから数時間、エミリエは静かに隣に座り、ぽつぽつと語られる亡くなった家族の話を聞いてあげた。相手の手を握る以外、他のことはせず、ただその不器用な話に耳を傾けた。その人の口から不安と焦りが言葉によって吐き出されると、最後は静かな悲しみだけが残ったようだ。 悲しみは避けられない。彼女ができるのはそこまでだった。 時間がだいぶ経っていたため、その日の仕事は終わるのが遅くなった。道具と薬剤を片付けているうちに、窓から差し込む光も弱くなっていく。しかし、それがかえって神の目の輝きを引き立たせた。 それ以来、彼女は自分の仕事時間を制限しなくなり、いつも十分な余裕を持つようになった。聴き手が必要な人がいれば、彼女はいつでもその傍に座る者になる。ゲーム内テキスト
本人のボイス 69件/他キャラがエミリエについて語るボイス 9件。