TEYVAT CODEX
用語

ウォーベン

本文に現れる名。

一次資料 13本 ゲーム内テキスト 40件 原神 Wiki* の用語集にも掲載

一次資料での用例

13
狡猾なコンポレ/狡猾なコンポレ・1
…このウォーベンは、謎煙の主の英雄サンハジ・コンポレが自ら作ったものだと伝えられている。その内容は簡潔ながらも奇妙であり、部族の年配のシャーマンたちの間でしばしば笑い話にされることもある。それは、狡猾なこの英雄が人生で数えきれないほどのジョークを飛ばしてきたのと同様に、このウォーベンも月夜のような暗い色を帯びているからだ。これは彼が使った糸に秘密があるという人もいれば、黒曜石や漆黒の貝殻を用いて染めたからだという人もいる。…
首無しのコクイタオ/首無しのコクイタオ・1
…謎煙の主の織人たちは、夜の国を流れるすべての河を知っている。彼らは、物語や詩がミクトランの黒き大河から生まれることを理解している。夜空を舞う猛禽は、「顔面を砕かれし者」の従者。彼女は主の手から月光を凝縮した三重の銀の糸を咥え取り、夜霧を抜けて霊火の地へと飛んでいく。そして、盲目の織人たちにその糸を織り込むよう命じるのだ。こうして織られた色鮮やかなウォーベンは、人々の家や聖堂、戦場に掲げられ、物語や伝説が広がっていく。織り続けられる限り、そのウォーベンはやがて歴史となるのだ。…
スンジャタの燃素鍛造に関する記事/スンジャタの燃素鍛造に関する記事
…ウォーベンを広げる職人よ、俺の名はナレ・マハン・スンジャタ。ナナツカヤン第五十二代族長にして、ムバンダの継承者だ。ダウラマやナユガ、サンハジがそうしたように、俺も古の文を紡いでウォーベンを織り上げようと思う。お前さんたちが少しでも回り道をせずに済むよう、ここに燃素鍛造の基礎を記す。…
拠点に残されたノート/拠点に残されたノート
…——やっぱりダメだった。しかもよく見たらこのウォーベンは「流泉の衆」のものじゃないか。もしかして誇大広告に引っかかったのか?騙された!…
遊学者のノート/遊学者のノート
…もし、このウォーベンが本物であれば、古代の龍族の職人がアビスの危害を永遠に消滅させるための兵器を作っていたというのは間違いないだろう。…
名もなき旅者のノート・1/名もなき旅者のノート・1
…どうやったのかは分からないけど…けっこう前に見つけたウォーベンには、地下にある玉の心臓と地上をつなぐ穴があったわ。…
名もなき旅者のノート・1/名もなき旅者のノート・5
…それを記録したウォーベンには、たくさんある「深穴」の下には統律の心、「深穴」の上には…エネルギー源のコアがある、って。…
名もなき旅者のノート・1/名もなき旅者のノート・3
…「深穴」。都市を囲むこの巨大な建造物のことを、少なくともウォーベンはこの単語で表してる。…
聖遺物「灰燼の都に立つ英雄の絵巻」
…たとえば、龍の遺物研究会会長を自称する者がいるが、その者は一日中分厚いウォーベンを携えている、…
武器「厄水の災い」
…幾重にも重なるウォーベンを迷霧へと変え、触れてはならない過去を隠したのだ。…
武器「知恵の溶炎」
…「そうだな、カウカウ。その時は俺たちも、ウォーベンに名を残す探検家になれるぞ。」…
武器「祭星者の眺め」
…「『記憶』を語り、ウォーベンに過去を織り込み、いずれナタと名付けられる故郷の礎を築いて」…
武器「虹蛇の雨弦」
…「二つ、あなた方の子孫に、あらゆるウォーベンからわたくしの名を削り取らせること。」…

この言葉が出てくる場面

24
カチーナストーリー キャラクターストーリー3

「ウッサビーティ」という古名は不屈を意味する。カチーナは最初、自分が栄誉あるその名にふさわしいとは思えなかった。 古いウォーベンから、この名を持った英雄たちがどんな人物だったかを知ると、彼女はますます困惑した。 その英雄たちは強大な力を持っており、どんな困難にも屈さず、後世の人々に敬われた者もいれば、過酷な環境でも気高さを保ち、一人で故郷を守り、最後まで自分の使命をまっとうした者もいた。それに比べて自分は、豊穣の邦の勇士のような力の持ち主でもなければ、花翼の集の勇士のように機敏でもない。弱そうに見られたくないのに、いつも軽んじられたり、見下されたりして、つい泣いてしまうことも多かった。 「強い人は、きっと、わたしみたいにすぐ泣いたりしないよね?」 自分は「不屈」という言葉からあまりにもかけ離れている、と結論付けた彼女は、しばらくの間、深い憂鬱に沈んでしまった。しかし、すぐに彼女はそんな感情から抜け出した。それは彼女が訓練を重ねて優れた戦士になったからでも、何か深い意味を悟ったからでもない。家族や友人からの励ましがあったのは確かだが、それよりも長年の習慣だった。 どれだけ転んでも、まずは立ち上がることが大切だ。 もっと小さい頃、転ぶたびに、他の子供たちがまだ泣きじゃくっている中で、カチーナは真っ先に立ち上がっていた。傷口はズキズキと痛み、涙もぽろぽろとこぼれているが、それは体の自然な反応だ。それでも彼女は意識の奥底で、立ち上がろうと決意し、転んだ原因の小石を確かめた。泣くのはその後でもいいのだから。 昔、転んだ時と同じように、今も彼女は絶望的な未来に直面すると、恐怖と絶望に打ちひしがれてしまう。まだ幼いため、感情を隠すことができず、ネガティブな感情がすべて顔に現れてしまうが、カチーナは涙で顔をぐしゃぐしゃにしながらも再び立ち上がって練習を続け、前に進み続ける。 彼女はこれを「ただの我慢」だと思っていた。しかし、表現力豊かで大人なパカルおじさんはこう言う。 「人間は弱い存在だけど、残酷な世界に立ち向かう勇気を持っている。その勇気こそ、人間の素晴らしさなんだよ。」 カチーナは確かに、不屈の精神を持っているのかもしれない。

カチーナストーリー 「ウッサビーティ」の旗

我らは祖先の名を唱え、英雄の名を高く歌う。 古名「ウッサビーティ」を継ぎし勇士らの言葉、我らが書き留め、織りなそう。 第一巻の金の糸、この名を最初に名乗りし剣持つ者に捧げよう。その剣士、容貌は平凡にして身の丈は童のごとき女性である。 彼女はかつて、両の手で崩れかけし崖を支え、その両肩に部族の者らを担ぎ上げたという。 彼女の思いと精神は、ナタの古から今までの最も大なる戦士より遥かに高大なものである。 この英雄の命の炎は早くも燃え尽きた。しかし、息を引き取る間際まで、大河を震わす豪快な笑い声を上げていた。 呼吸と鼓動が止まっても、ウォーベン職人たちは彼女のやせ細った体から七日にわたり、波のごとき音を聞く。 第二巻の銀の糸、この名を概念の河から再び引き上げし盾持つ者に捧げよう。彼は命のある限り、盾を一度も下ろさなかった。 葦のごとき細身なれど、盾と共に幾年も戦場を守り続け、時の流れに揺らぐことなし。 彼の身は盾に同じく沈黙を守るが、魂は戦場においてのみ、しばしば怒りを解き放つ。 彼の遺灰は骨壺の内で凝固しようとし、ついには壺を破り裂かんとする。人々は彼を狭い墓には収められぬと宣言した。 ついに彼の遺灰は山々に散らされることとなる。煌めく灰が岩壁に当たっては、雷鳴のごとき轟音を立てた。 第三巻の葦の糸、無数の旗に埋もれた名も無き者らに捧げよう。歴史は彼らの功績を隠してしまった。 大霊が明かさねば、我らが彼らの血と涙の痕跡を見ることはかなわなかっただろう。 英傑たちの終焉は静けさの中に帰したが、我らは心から彼らが幸福と満足の中で己を燃やし尽くしたことを祈る。 第四巻の織り糸は、竜の羽毛で織られ、「帰火聖夜の巡礼」の上空で再びこの名を高らかに掲げた槍持つ者に捧げよう。 夜神の国で、彼女は永遠に戦い続ける英雄の魂と共に、暗闇を巡りて凱旋した。 涙は「ウッサビーティ」の輝きを損わない。彼女の帰還は新しき時代の芽吹きと密接に結びついているのである。 我らは祖先の名を唱え、英雄の名を高く歌う—— 「己の骨を壁と為し、倒るることなく地に聳え、太陽を見る勇あらば、永遠に命を託されん。」 「恐怖は我を恐るべし。烈火の如き我が身こそ、普く卑劣を焼き尽し、碑文を鋳する定めにあり。」

キィニチストーリー 『セミの静かな丘』

キィニチは、族親リックの家で学んでいる間、彼の所蔵する数多くの書物やウォーベンを読んだ。 中には、表紙だけをぱらぱらとめくったものもあれば、何度も繰り返し読んだものもある。 しかしどの本も、キィニチが子供の頃に読んだ『セミの静かな丘』にはかなわなかった。リックにその本を勧めたが、 年をとった学者は読了後、文章が粗雑で話が平凡、想像力が貧弱だと評し、しかも未完の手稿であることを指摘した。 キィニチは言葉を詰まらせたが、それでもこの作品への愛着は変わらなかった。なぜなら、この手書き原稿の作者は彼の母親だったからだ。 その原稿には、地下で暮らすセミが描かれている——セミは地下で成長し、地上に這い出て繁殖して、死んでいく。 そうやって代々生き続けてきたが、ある日、地下の環境が突然変化して土壌の温度が急激に上昇し、セミが大量に死んでしまうのだ。 生き残った数少ないセミたちは、より深い地下へと逃げたが、主人公のセミ勇士は地上へと這い上がることを決意した。 何が起きたのかを知り、この危機を解決する方法を見つけられないかと思ったのだ。 しかし地上に辿り着くと、代々セミの繁栄してきた丘は、人間と魔物の大戦によって不毛の地と化していた。 植物は枯れ、大地は焦げつき、漂う灰塵が太陽を遮り、空気中にはセミにとっての毒である燃素が充満していた。それが後に燼寂海と呼ばれることになる場所だ。 セミ勇士は焦げた大地に倒れ、力尽きた。だが命が消える前に、すべての力を振り絞って、亀裂の入った結晶の卵を産んだ… 物語はそこで途切れており、卵から小さなセミが孵化したかどうかは分からない。これが、リックがこの作品を低く評価した主な理由だった。 しかし、キィニチがこの物語を気に入った理由はそこにある。なぜなら、いつかその原稿の続きを見ることができるかもしれないと、期待に胸を膨らますことができるからだ。

ムアラニストーリー キャラクターストーリー5

ナタとアビスの戦争は数百年にわたり続けられてきた。ムアラニも他のナタ人同様に、幼い頃から英雄の物語を聞かされて育った。しかし日常は彼女の目に映る限りでは、ウォーベンに描かれた物語のように危険に満ち溢れて、心を突き動かされるようなものではなかった。 ムアラニの記憶では、「流泉の衆」の雰囲気は常に悠々自適でのんびりしていた。真剣な話し合いの前も、大人たちはまず気持ちよくひとっ風呂浴びてから、おやつをつまみ、牛乳を飲んで、やっとゆるゆると本題に入る。 おまけに部族で流行っている音楽もゆったりとしたスタイルの曲ばかりだ。 幼いムアラニは、遥か昔の戦場の物語を聞いて不可解に思ったことを守衛の大人の一人に投げかけた。 「アビスってすっごく危ない敵なんでしょ?なのになんでみんな、いつものんびりしてるの?」 それを聞いた大人はアハハと大笑いし、ムアラニの頭を撫でてこう言った。「実はそんなに恐ろしいものでもないのさ。ムアラニも大きくなったら簡単に倒せるようになるよ。」 そう言われてムアラニはよく理解できなかったが、別段急いで答えを知る必要のあることでもなかったため、しばらく頭の隅に置いたまま、何不自由なく大人へと成長していった。 そしてある日の夜、アビスが突如部族を襲撃した。魔物と奮闘する守衛たちを目の当たりにした時、ムアラニはこれまで不自由なく暮らしていた日常は当たり前に存在するものではないことを悟った。 彼女は部族の大人たちから少しずつ戦い方を教わっていった。様々な水上スポーツに慣れ親しんでいた彼女は素晴らしい素質を持っていて、その戦いっぷりはさながら素早く泳ぐサメのようだった。 その後、彼女は順調にチームを結成し「帰火聖夜の巡礼」に参加したが、ほとんどが新人で構成されたこのチームは団体戦で早々に敗退した。 ひどく落ち込むメンバーがいる中で、ムアラニは相変わらずニコニコしていた。「あのベテランたちと手合わせできたってだけでも大したもんじゃん。それにあたしたち、これで実戦経験を積めたわけだし、次は絶対もっと上手くいくって!」 彼女の言った通り、成績は試合の回数を重ねるごとに上がっていき、ついには優勝し、晴れて「夜巡者の戦争」に参加する資格を勝ち取った。 彼女の記憶にあるアビスの敵は太刀打ちできないほどに強く、その印象は幼い頃に見たあの日の夜のままだった。しかし彼女は仲間たちと一緒に戦った時に驚きを隠せなかった。なんと一匹、また一匹と魔物を倒すことができたからである。 「今回は幸運だったね、遭遇したといっても、どれもあんまり強くないやつだったし。」 この「幸運」はずっとムアラニに付いていった。三度「夜巡者の戦争」に参加して、一度も復活を経験することなく、いずれも勝利を収めることができたのだ。 そして彼女が勝利を収めるたびに部族では盛大な温泉パーティーが開かれた。彼女の話を聞いた子供が戦い方を教えてほしいと走って頼みにくることもある。 「俺も姉ちゃんみたいなすごい戦士になりたい!」 そんな子供たちの純粋無垢な顔を見て、ムアラニは幼い自分があの守衛に尋ねたことを思い出し、笑いながら手を振ってこう言った。 「ほんとはね、アビスはそんなに怖いものじゃないんだよ。でも、戦うのは大人になってからでも遅くないし、今は思いっきり遊んでおいてね!」 「そうだ、今度、サーフィンを教えてあげるよ!」

ムアラニボイス ヴァレサについて…

ヴァレサ…あっ!ヴァレサちゃんのことだね!実力はあるのに、試合が苦手なかわいい子!イアンサが前に、あの子をここに連れてきて水泳の特訓をさせてたよ!休憩中によくビーチに寝転がってマンガウォーベンを読んでたから、あたしもいくつか読ませてもらったんだ!ヴァレサちゃんってさ、昔の勇士の名前をたくさん知ってて、あたしたち「流泉の衆」の戦士も知ってるの。あたしでさえ覚えてない戦士もたくさんいて、本当にすごいんだよ!

シロネンストーリー キャラクターストーリー3

教室の中で、子供たちは「名鋳り師」テイーズを囲んで座り、彼女の語る「英雄の物語」を聞いていた。 スンジャタにメネリク…この地では多くの英雄たちがナタのために立ち上がり、正義と美徳に身を捧げてきた。 本で読んだことのある物語も、「テイーズばあちゃん」にかかればより詳しく描写され、まるで実際の場面が目の前に広がるかのようだ。子供たちは夢中になって、物語に耳を傾けた。 鐘乳石を引き抜いた即席の矛で、魔物の目を貫く場面…縄一本で巨大な谷を渡り、たった独りで悪龍を追いかける場面… 豊かに描かれる英雄たちは、生きた人間として子供たちの心の中に蘇る。 しかし、そうした描写は矛盾をはらむ。 ふいに、一人の子供が顔を上げて尋ねた。これまで読んできた数々の本と情報を照らし合わせた結果、多くの疑問が湧いてきたようだ。 「テイーズおばあちゃん、今のは独りで悪龍を狩ったって話だったけど、本では仲間と一緒に悪龍を狩ったって書かれてたよ。」 テイーズは優しく答えた。 「私もその本を読んだことがあるわ。あなたは、どちらが本当だと思う?」 子供は瞬きをして言った。 「だって…本にはそう書いてあったもん…」 テイーズは微笑んだ。 「じゃあ確かなことはわからないのに、片方の言葉だけを信じて、本当かどうか疑うの?」 負けず嫌いなのだろう、その子はそれでも反論した。 「物語に確かなことなんて…物語なんて山ほどあるのに、いちいち証拠を探してたらキリないよ。」 物語や伝説は、そのほとんどが口伝で残されるものだ。長い時の中で、内容が変わってしまうのは致し方ないことである。同じ人物の同じ物語が、部族によってまったく異なる展開として伝わる場合さえあるのだ。 しばらく聞いていたシロネンは、つまらなそうに目を閉じて、新しい公式を使った暗算に頭を切り替えた。あの子の意見には同感だ——秩序のないものに時間を割くのは全くの無駄である。 しかし…子供たちの予想とは裏腹に、テイーズは頷いて賛同を示した。 「ええ、その通りね。ナタには英雄の物語が数え切れないほどあるんだもの…そのすべてに根拠を見つけ出すなんて、無理な話かもしれない。」 「物語の多くは、口から口へと伝えられる。その過程で捻じ曲げられ、すり替えられる場合だってあるわ。誰かの成し遂げたことを大げさに言って讃えたり、巧妙に誰かをおとしめたり…」 「でもね、あなたたちもいずれハンマーを片手に、先人の功績をもとに古名を作ることになるのよ。」 「古名の材料としての英雄の功績をめぐって、様々な説と向き合うことになるでしょう…」 「ハンマーを振り下ろす前に、どうやって真偽を見極めるつもりかしら?」 突如降りかかってきた重圧に、ざわついていた子供たちがぴたりと静まり返った。 「伝説にも脈略というものがあるし、物語にも道理は存在するのよ。」 「さて——色んな物語とウォーベンを読んできたわね。」 「それじゃ、次の授業に移りましょう。」 シロネンは少しだけ目を開けた。 そういう視点から物語を読んでみるのは、ちょっと面白いかもしれない。

シロネンストーリー キャラクターストーリー4

授業はまだ終わらない。 テイーズの指導のもと、子供たちは書籍の海に喘いでいた。数え切れないほど聞いてきた英雄の物語が記された書籍を繰り返し読み、ほかの書籍の内容と関連する部分がないか、しらみつぶしに詳細を調べているのだ。たとえ大まかなものでも、共通点さえ見つけられれば、その物語の信憑性が証明できるからである。 以前は英雄の物語に魅了され、飽きることなく何度も読んでいた子供たちも、今やこの授業から逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。 「このままだと、もう二度と物語なんか読みたくなくなるよ!」 「ほんとそれ!地に足をつけて調べろなんて、つまんないって。想像の余地がないじゃんか」 「シロネン、なんでそんなやる気満々なの?物語を読むのが一番苦手なんじゃなかったっけ?」 まるで人が変わったかのように、せっせとノートに書き込んでいくシロネンを見て、クラスメイトたちはきょとんとしている。 「物語を読むのが苦手なんじゃなくて、根拠もない話を読むのが好きじゃないだけだよ。」 シロネンは頬杖をついたまま、気だるげにそう答えた。 想像力は、岩山の間を吹き抜けるそよ風にも似ている。軽やかで、涼しげで、隙間があれば潜り込み、隅々まで届く。しかし、その形を一言で形容することはできず、そばに留めておく術もない。 だがもし、風を地面に引きずり下ろし、黒く硬い、物言わぬつややかな石に変えられるのならば…もし鍛造のようなプロセスを経て、形なき物語に形を与えられるとしたら——それはシロネンの心をくすぐる思考実験だった。 とはいえ、彼女は「名鋳り師」になろうと思ったわけではない。とらえどころのない風を掴むことにそこまで興味があるわけでもないし、重い石を運ぶ気力なんて沸いてくるはずもない。 「古名なんて別に作りたくない。集落にはいくらでも人がいるんだから、適当に一人選べばいいっしょ?」 それも、鍛造職人である父親の姿をずっと見てきたからだ。商談の時には満面の笑みを浮かべていても、槌を振るう時には、苦しげな表情になる。仕事というのは、身体も心も疲弊させてしまうものなのだろう——そう、シロネンは思っていた。 「父さんはなんで名鋳り師になろうと思ったの?何かすごく大事な理由があったとか?」 「いや、特にない。ただ…物語を聞いた限りは、物語を伝えていく責任があると思ってね。」父は鉄のハンマーを下ろして、汗を拭いながら言った。 「でもそれなら、ウォーベンに記録するか、石にでも刻んどけばいいじゃん?」 「物語を伝えるだけなら簡単よ。」 母が櫛を手に取りながら言った。シロネンに新しい髪型を試すつもりらしい。 「でも、本当の物語を伝える覚悟がある人ばかりとは限らないでしょ。」 「じゃあ、テイーズばあちゃんは?」 「彼女はその覚悟があった、数少ない一人だったってことね。」

シロネンストーリー キャラクターストーリー5

テイーズの葬儀は集落の外にある小さな山で行われた。この日が近いであろうことは、誰もがうすうす勘付いていた。 かなりの年だった彼女は、夢の中で大霊の声を聞いたと身の回りの世話をしている者たちによく話していたのだ。 ——でも、まだ大霊のもとへ行くわけにはいかないの。そう彼女は言っていた。大事な話を伝えるべき人がいるのだと… 「…山の血、壑の目。」 「穢れを燃やし尽くさん。魂よ、炎淵に帰すべし。」 シロネンの手によって火が入れられると、積まれた薪はたちまち炎に包まれた。 一晩そこで待ち、翌朝、遺灰を壺に入れて、彼女がずっと言っていたあの洞窟の中に置いてやった。 一方、洞窟の外ではテイーズをめぐる議論が谷の風のように吹き荒れ始めていた。 ——テイーズから古名作りの技術を伝授された、署名入りの書物は自分のものだと言う者から、自分は工房を譲ってもらう約束をしており、鍵も持っていると主張するものまで…利益のために言い争う人のことなど、シロネンにとってはどうでもよかったが、卑劣な嘘は許せなかった。 「テイーズは講義で英雄の物語の信憑性を疑っていたんだって…?」 「あら、あなたも聞いた?はぁ…学術的な問題とはいえ、子供たちに悪い影響を与えてないかしら…心配だわ。」 「テイーズは若いころから技術の研究ばっかりしてたらしいぞ。そんな人が古名の作り方を教えていたんだからな…」 人々の口から口へと伝わるうちに、テイーズの物語はどんどん歪んでいった。ある者は人々のために尽くした偉大な英雄だったと讃え、別の者は裏で策を巡らす卑怯者だったと貶す。 人は風を捕まえられない。だからそれぞれが入れ物を作って、これが風の形だと言い張る。 しかし本当の物語は、そう、硬く黒くずっしりとした石のようなものだったはずだ。 翌日、集落の人々は不思議な光景を目にした——あの怠け者のシロネンがまるで別人のように、テイーズと関係のあった人々に話を聞くため、「こだまの子」の集落のすみずみまで足を運び、精力的に調査を進めていたのである。それだけではない。集落を出て「懸木の民」の伝達使や「流泉の衆」のミュージシャンを訪ね、「謎煙の主」に頼んでウォーベンを調べ、「花翼の集」の崖を登って「豊穣の邦」にまで足を延ばしたのだ——テイーズがこの世に残した、すべての痕跡を辿るために。 シロネンは、そうして集めた証拠を武器に、テイーズに対する誹謗中傷に反論し、あらぬ噂を断ち切った。 ありのままの彼女を皆に覚えていてほしい——その一心だった。 ヒビのない堅強な鉱石だけが、高温とハンマーの衝撃に耐え、立派な材料に生まれ変わるのだから。 …… 「シロネンお姉ちゃんはなんで名鋳り師になったの?すごく大変そうなのに…」 ハンマーの音が響き渡る中、シロネンの仕事ぶりを見つめながら生徒たちが尋ねた。 シロネンが手を止め、汗を拭う。 「ウチだってなりたくてなったわけじゃないよ。でも、テイーズばあちゃんも父さんも母さんも、みんなそうだったから。」 「それに…」 シロネンが再びハンマーを振り上げる。 「責任持って物語を伝える人は必要っしょ?」

シロネンボイス シェアしたいこと…

精密加工の能力を鍛えるために、よく複雑な形をした小さなアクセサリーを作ってるんだよねー。たとえば、網の形をしたペンダントとか、ウォーベンみたいなイヤリングとか。出来上がったら、それを友達やお隣さんにプレゼントするの。 ん?指輪は作れるかって?モチのロンっしょ!何日か前にシャクギクの形をした指輪を作ったばっかだしね。まぁ設計図を描くだけで、だいぶ手間取ったけど… 欲しい?いいよ。んじゃ、手を出して、指のサイズを測ったげる。すぐに作れると思うよ。

チャスカストーリー 「ピースメーカー」

飛行隊所属の族親・アルパが初めてチャスカを説教したのは、チャスカに殴られた人があまりにも増え、苦情の手紙が彼女の郵便受けをいっぱいにした頃だった。 しかし、アルパがどんなに人間社会のルールを説明しても、幼いチャスカはケンカのどこが悪いのか理解できなかった。 竜も獣も、力がすべてだ。自分は勝ったのに、なぜ問い詰められるのか? ジェスチャーを交えながら苦労して説明するアルパをじっと見つめ、チャスカはこう考えた——この人も倒してしまえば、説教を聞かなくて済むんじゃないか? アルパから二回目の説教を受けた時、チャスカの目つきは変わっていた。 「強くなる方法…教えて。」チャスカはぎこちない人間の言葉で、彼女に教えを求めた。「アビスに、勝ちたいから。」 「…分かった。じゃあ人間が誇る、一番強い武器の使い方を教えてあげる。」 そう言ってアルパが持ってきたのはウォーベンだった。その冒頭には『ピースメーカー:人と交流する芸術』とある。 「人間の言葉こそが、一番強い武器よ。」 口を動かすことと強さに何の関係があるんだ?当時のチャスカには理解ができなかった。 チャスカはむしろ、言葉よりも武器の使い方を学びたかった——弓、銃、燃素の扱い方、空中射撃のコツなどを。 強ければ、無駄な話をする必要などないとチャスカは思っていたのだ。 だが、今の彼女では心の中に潜む声を引きずり出せない。「やつ」を懲らしめて、永遠に黙らせることも叶わないだろう。 だからチャスカは辛抱強く、アルパのもとで単語を一つまた一つと学んだ。そして、一生触れることがないだろうと思っていたウォーベンを一つずつ読んでいった。 ウォーベンの教えの通り、他人とコミュニケーションを取ったり、戦闘で連携を取りながら背中を任せたりしたところ、狩りの効率が確かに上がった。 ウォーベンの教えの通り、クイクの誕生日にお祝いメッセージを書いて送ると、クイクと両親の顔から喜びを見て取れた。 ウォーベンの教えの通り、人々の期待を背負って帰火聖夜の巡礼に参加したら、花翼の集のみんなの目に尊敬の念が込められるようになった。 …… 「ほら、注文通り作ったよ。最大口径で動力も一番のやつをね…あんたの腕を知ってなきゃ断ってたとこだよ。他の人にこんな無茶な注文されたら、きっと材料でそいつを夢の中から叩き起こしてただろーね。」 「礼を言う、シロネン。これで私の『調停』も『説得力』がより増すはずだ。」チャスカは、目を見張るほど巨大な「スピリットリボルバー・ライトワンド」を受け取り、手綱でその重さを感じた。 「はいはい、こんなモンで撃たれて平気な人なんていないだろうね。それ、あたしが花翼の集のために作ったものの中で、一番強い武器かも。」 「…いや、『弾丸が最も説得力を持つのは、それがまだ撃たれていない時だ。』」 チャスカは弾倉を撫でながら、とあるウォーベンに記されている比喩を思い出した。 「一番強い武器か…これからは私たちが『ピースメーカー』だ。」

オロルンストーリー キャラクターストーリー2

「謎煙の主」の民はウォーベンに物語や伝説、歴史などを記録している。布と織り糸で織り出される模様は、文字のように物事を詳細に伝えるのは難しい。ウォーベンの情報は、飾り気のない文字に比べて、より抽象的で概念化されたものになる。しかも多くの場合、作者の感情が大いに影響する。 要するに、再創作の要素が非常に濃いのだ。主体と背景、強調すべき事象と簡略化すべき事象を織り手が判断し、創作するわけである。 ——というと、特に難しいこともなさそうだが、オロルンは困り果ててしまう。 何せ、主体と背景を区別するべきではないと彼は思っているのだ——人物も背景も家も山河も等しく重要であり、ゆえにそれに割く材料の量も同等でなければならない。そこらに咲いた一輪のサウリアンサキュレントの露までも再現しようというこだわりぶりだ。そういうものも部族の「じいちゃん」「ばあちゃん」の顔に刻まれたしわと同じように、布の上で輝きを放つべきだ、というのがオロルンの持論なのである。 しかし、この考えはある問題をもたらした。ウォーベンを織る際の彼の忍耐力は限られている。たとえば、ドアの傍にある木とその横に立つ人物を表現するとしよう。可能な範囲で「平等」に表現しようとした場合、全ての要素が簡略化され、完成品はもはやウォーベンとは呼びがたいものになってしまう。強いて言うなら、何かしらの模様が施されたタオル…といったところだろう。 人から教わっても身につけることが難しいことはたしかに存在する。生まれつきの才能による部分が大きい、芸術分野となればなおさらだ。オロルンがほかの分野——たとえば、魂の感知や地脈の観測——において人一倍の才能を発揮していることを鑑み、部族でウォーベンの織り方を教えていた師匠たちは、強要はすまいと決めた。ウォーベンの授業はオロルンの選択科目とし、好き放題させたのである。 それを機に、オロルンはこれ幸いと布と糸さえも手放し、紙とペンで描いて済ませるようになった。「ささっとペンで描けばいいものを、なぜ骨を折ってまで布に織る必要があるのだろうか?」しかし意外なことに、オロルンの作品を見た他の部族は誰もが畏敬の表情を浮べるのだった。謎煙の主の民がラクガキの才能にも恵まれていることは周知の事実…皆はオロルンの絵を古の祝福が込められた呪文だと思い込んだのだ。 実際、オロルンはこれといって有用なものを描いたことはあまりない。唯一有用だと言える作品は、イファの診療所の前に立てられた看板だろう。滑らかな線で色鮮やかに描かれたそれは、オロルンが最も真剣に作った作品でもある。 「竜の怪我した翼に包帯が巻かれているのが可哀想だったから、かなり気を遣った。絵に占める割合こそ少ないが、君を描く時と変わらないぐらい時間をかけて描いた。」 「そうか。」オロルンの真剣な目を見つめ返しながら、イファは落ち着いた口調で言った。「これほど生き生きした俺は初めて見るな。礼を言うぜ、きょうだい。」

オロルンストーリー キャラクターストーリー4

もしも凄まじい根性と時間的余裕があって、「謎煙の主」の古書やウォーベンを読破したことがある者がいれば、その内容の幅広さに驚くだろう。 数百年前に連載が途絶えた稲妻の娯楽小説など、一体誰が読むと言うのだろう? 「紙が燃えた後の灰の三百六十種の形についての分析とその予言の応用記録」——こういった資料を、一体誰が整理しているのだろうか。 これら文献の出所はさておき…残念ながら、これらの資料を閲覧し、整理する者は今やオロルンくらいしかいない。 最初は、不完全な魂が過去に現れた記録がないか調べるために手を出したのだが、地脈や夜神、幽霊などの言葉が押し寄せてきたと思ったら、続いてドキュメンタリー文学やファンタジー小説の波に見舞われ…最終的にショコアトゥルの種のごとく積み上げられた資料の海に吞み込まれてしまったのである。そうしてボランティアの図書館司書となったオロルンは、当初の目的とは関係のない知識の海に溺れる羽目となった。 「もともとそこまで興味があるわけでもないのに…」さすがに少し疲れてきたオロルンは考えた。しかしすぐに、「まぁ、他にやることもないし。」と考え直した。それに、大量の時間を費やしてきたが、まったく収穫がなかったわけではない。 現時点で最も合理的な説明は、意外なことに表紙の擦り切れた怪談集から見つかった——はるか昔の魔神戦争の時代、一部の魔神は戦いで勝つために、獣の血脈と人間の血脈を融合させ、人を超えた力を持つ戦士を育てようと試みたという話があったのである。実験はほとんどが失敗に終わったが、一部の成功例が現代にまで残っているという… 「筋は通っているが、あくまで物語だろう…」そうオロルンは考えた。 「いや、物語とはいえ、あり得なくもないか…」とも考えた。 しかし、二十歳そこそこの頭で真相を突き止めるというのは、現実的でなかった。考えに考えても、結論は出せそうにない。たまには、己の無知と無能さを認め、受け入れなければならない時だってある。あるいは、面白い物語でも作って自分を納得させるのも手だ。 資料に引き続き目を通す気が失せたオロルンは、数分かけて、最も簡潔で分かりやすい理屈を導き出した—— パズルで、場違いのピースを無理に組み入れようとすると、必ずぶつかったり歪んだりして、ピースが破損してしまう。二十数年前のあの日、まさにその破損したピースだった僕は、たまたま冷たい石の上に落ちていたのだ。

マーヴィカストーリー キャラクターストーリー2

マーヴィカはアウトドア派のイメージが強く、その姿は各地で見かけることができる。また彼女は仕事と訓練の他に、己の限界を突破するような挑戦を好んでいる。 一方、人々にあまり広く知られていない点もあった。それは、彼女は驚異的な忍耐力を持ち、長時間座っていられるという点だ。書籍やウォーベンを集中力を切らさずに、長い時間読むことができる。 そんな彼女のもう一つの主なインドア趣味は、謎解きをすることであった。論理的推理であれ、法則を見つけることであれ、内容が画像であろうと数字であろうと、あるいは物語であろうと、彼女は瞬く間に夢中になり自分の世界に入る。 楽しい推理と判断の時間を過ごした後、彼女は謎解きのクオリティ、難易度、そして合理性に基づいて点数をつけ、同じ趣味を持つ仲間たちに比較的信頼できる参考情報を提供している。 しかし、その趣味にはひとつ問題があった。謎解きゲームは基本的に一度きりしか楽しめないものが多く、繰り返し遊ぶことが難しい。さらに、マーヴィカの謎を解くスピードが速すぎて、クリエイターたちの製作ペースを遥かに上回ってしまうのだ。 そのため、マーヴィカは日々新しい謎を探す一方で、過去に解いた謎に難易度や複雑さを増す制限を加えるなどして挑戦している。 例えば、パズルを組み立てる際には、通常通りピースを選択できるが、はめ込む際には裏返して配置するというルールを追加する。そして、全体のパズルを完成させて初めて、絵柄が正しいかどうか確認することができる。 また、絡み合った金属のピースを外す謎解きでは、そのうちの一つを机に固定する。これにより、本来簡単に解ける向きが使えなくなり、新しい方法を考えなければならなくなる。これは金属だけでなく、紐を使った謎解きにも有効だ。 時間が経つにつれ、マーヴィカは自分で考えた挑戦の遊び方も、元の謎解きと共に評価して記録し、高いクオリティを持つ謎解きをまとめた本を作り上げた。 最初、彼女は「談議室」でこの資料を公開し、愛好家が謎解きを選ぶ際の役に立ってほしいと願っていた。謎解きという比較的マイナーな趣味を広めようとしたための行いだったが、最初にこの資料の有用性に気付いて手にしたのは、予想外なことに謎解きの販売者だった。 彼らは炎神マーヴィカのオススメという名目で大々的に宣伝した。しかし、謎解きに対する評価基準は人それぞれ異なる。この資料はマーヴィカの個人的な趣味を反映しているだけであるため、すぐに様々なトラブルを起こした。 それ以来、マーヴィカはこの資料を公開するのをやめた。だが、もし本当に謎解きを愛する者であれば、今でも「談議室」に申請することで資料を閲覧できる。 ——ただし、マーヴィカのコレクションからスタッフがランダムに選んだ謎を解いて、自分が謎解きのプロであると証明できれば、という条件付きでだ。

シトラリストーリー キャラクターストーリー5

「我らは時の中を羽ばたく鳥。記憶の花畑の中で、一緒に旅をしてくれる『色』を探す。」 大事を記録するための特殊なウォーベンを作るたびに、シトラリはウィツィリンのこの言葉を思い出す。ウィツィリンにウォーベンの秘術を教わった時、この言葉がシトラリを色鮮やかな記憶の空間へと連れていった。記憶を絵の具に巨大な絵を描く彼女はまるで熟練した画家のようだった。 この秘術を学んだシトラリは、ウィツィリンを真似して、戦士たちが高く掲げた松明からオレンジ色を摘み取って偉大な勝利を飾ったり、墓石前の花束から薄紫色を摘み取って英雄たちの死を弔ったりした。そうして歴史を記録するウォーベンが作られ、謎煙の主の伝統も続いていった。 シトラリは、この秘術の伝承者が背負う使命をとうに理解していた。そのため、金髪の旅人が訪ねてきた時、自分が拒めないことにも気づいていた。アビスを照らす光として、そしてこの戦いを終わらせるシンボルとして、彼女は旅人の「金色」を選んだ。丁寧にウォーベンを染める手の中で、あの記憶がよみがえってくるかのようだった。 「そうすれば、彼らは紙と文字の砂丘に埋もれずに済む。」 旅人の言葉を聞いて、時と共に薄れていた感情が、シトラリの胸に押し寄せてきた。彼女はウィツィリンの言葉を思い出し、ふとウィツィリンが約束を守っていたことに気付いた。 花が枯れ、すべてが砂丘に埋もれた時、一体何が残るのだろうか? 「記憶の中の色。」 これはウィツィリンがずっと昔に出していた答えであり、シトラリが旅人の問いに返す答えでもある。この答えが、長いこと向き合わなければならない約束に再び自分を巻き込むとシトラリは知っていた。だが、今度は前よりも随分と心強い。 彼女は事前に用意していた象徴物を旅人に渡し、この長い人生で初めて自分の願いを語った。 「…キミの記憶に、ワタシの色が残ってくれたらなって。」

シトラリストーリー 神の目

シトラリは大シャーマンになっても、古名をもらえなかった。 名実ともに謎煙の主の大黒柱であり、ナタの多くの重要事も彼女の助けがないと進められないが、それでも共鳴する英雄名は出てこない。 人々は惜しんだが、どうすることもできなかった。七十歳を過ぎてからシトラリは出不精になる。この世界に対してもう何の情熱も湧かないようで、自分を必要とすることに顔を出すだけであった。もちろんこの無関心さを気に入る英雄もいるはずがない。 しかし誰も気付かないところで、シトラリはあることに対する熱意だけは残していた——歴史上の大事を記録する特殊なウォーベン製作だ。 これを作るたびに数十年が過ぎ去り、一つの世代が消えていく。それでもシトラリは続けた。友の遺志だからか、あるいは誰とも関わらなくていいからなのかもしれない。この使命が終わるのを期待したこともなければ、見返りを求めることもなかった。 「ただ時間を潰す方法の一つに過ぎない」と考えていた。 だからこそ、ある先祖が霧の中を漂う色とりどりの煙を使って呼びかけてきたあの夜、彼女は戸惑った。 「ワタシがキミの古名を継ぐって?」 「いずれ受け継ぐ。あなたはその理由をまだ知らないだけ。」 「私の言葉を受け取りなさい。将来抱く疑問は、これで解けるはず。」 煙は色を変えながら、シトラリにしか解読できない言葉を伝えた。 「我らは時の中を羽ばたく鳥。」 「青々とした密林を彷徨い、紺碧の波を渡り、赤いマグマを飛び越え、金の鉱石を拾い、桃色の柔らかな翼を追いかける。」 「日が暮れた夜空をラクガキで彩る。」 「描くものすべてが贈り物となり、死者の世界の手向けとなるのだ。」 「これはかつての私の名であり、これからはあなたの名になる。」 「ウクンボク——『記憶』。」 言葉が終わると、霧の中の煙は風と共にシトラリの背後に回る。先ほど色付けが済んだばかりのウォーベンに近づき、不思議な光彩を放ちながらその全体を照らした。 目の前のウォーベンを眺めながら、シトラリはふと、旧友が去った夜を思い出した。 「あの子がワタシに残した使命、かつてはキミのものだったんでしょう?」 「でもあなたにとっては、ただの使命じゃなかったようね。」 色に導かれるまま、シトラリが手を広げると、光輝く神の目がいつの間にか手のひらに現れていた。 「あなたの『願い』でもあるみたい。」

イアンサボイス イアンサを知る・3

療養中に栄養学をかじったことがあるんだけど、あの頃はみんな、トレーニング中の食事について何も知らなくて、ただ肉さえ食べればいいって思ってた。クラブにはテーブルの半分ほど大きい肉を食べられるやつもいるけど、アタシの胃袋はそうはいかない。だから、もっと効率よく栄養を取る方法を探さなきゃならなかった。怪我のせいで外にも出られなかったし、せっかくだから食材に関するウォーベンを借りて、オリジナルメニューを考案してみたんだ。何度も失敗して、ようやく完成したレシピだ。そのメニューのおかげでアタシはすぐに全快したし、ベンチプレスの記録も更新したんだぜ。ただ…このメニューを広めようとしたけど、残念ながらクラブのやつら以外にはあんまり受けがよくなかったんだよなぁ。

ヴァレサストーリー キャラクターストーリー1

ヴァレサは毎日楽しそうだ。 「ヴァレサが生まれる前後は、ずぅーっと、トゥラン大火山の噴火も止まってたんだよ」というのが両親の口癖である。 ヴァレサは魔神のような、伝説的な人物…というわけではない。なのでもちろん、トゥラン火山の気分を左右することなどできないし、「ずぅーっと」というのは、誇張された表現に過ぎない。 しかし、生まれた頃に自然災害が少なかったことは、確かに幸運だと言える。 肥沃な土地に恵まれた「豊穣の邦」で生まれ育ったヴァレサは、いくぶん経済的余裕のある家庭で、困窮することなく、たっぷり愛情を注がれて育った。そして両親は、娘が幸せの中で健やかに育ち、大きくなったら果樹園を継いでくれることを願っていた。 父が果樹園で作業をしている間、母はヴァレサをワナナの背中に乗せて、一緒にお手伝いさせてくれた。父がうっかり果物を落としそうになると、ヴァレサはいつも素早くキャッチして、両親の褒め言葉とワナナのすりすりの洗礼を浴びたものだった。 屋台を出して果物を売る時は、父の隣に母がヴァレサを抱いて座り、ウォーベンを広げて読み聞かせをしてくれた。ほのぼのとしたちび竜の童話や、古代の英雄の胸が高鳴る物語はヴァレサを夢中にさせてくれる。いつの間にやら、籠いっぱいのケネパベリーを一つ残らず平らげてしまっていた、なんてこともしばしばで、父も思わず苦笑い。 何不自由ない子供時代のおかげか、ヴァレサは穏やかで優しい、心の広い少女に育った。 さて、「豊穣の邦」では、誰もが力に憧れる。子供とて例外ではない。体が大きく力が強い子は羨望の的なのだ。 そこへ仲間入りしたのが、いたって普通の体格であるヴァレサだ。しかしヴァレサは自慢げに子供用のバーベルを持ち上げたガキ大将をひょいっと抱き上げて、なんと「高い高い」をしたのである。 そうなると、本来「ガキ大将」の座はヴァレサに引き継がれるはずなのだが…本人はまったく興味がないようだった。 英雄のように子供たちの間に平和をもたらし、一緒にお腹いっぱい食べることこそ、彼女にとって一番大事なことだったからだ。 家に美味しいものがあれば、一緒に食べる!面白いものを買ってもらったら、一緒に遊ぶ! いじめっこはつまみ出す!おもちゃとマンガウォーベンを独り占めするやつは引きずり出す! わざといたずらするような意地悪な子には、まずは一発お見舞いする… …おっと、だめだめ、一発で何週間も寝たきりにさせちゃうんだった…軽~くデコピンぐらいにしておこう。 とにかく意地悪はだめ、みんな仲良しこよしだよ!ちっちゃなことで喧嘩しちゃだめ。わがままを言って迷惑をかけるのはもっとだめ! ——ヴァレサの才能はこの時期に遺憾なく発揮されたが、いささか行き過ぎな面もあった。 ある時、体の弱いお友達がヴァレサに言った。「集落の北にね、甘酸っぱい果物が実る木があるんだって!」 それを聞いたヴァレサはなんと、その木を根こそぎ引っこ抜いて、友達の家の前まで運んできたのだ。 母は幼いヴァレサに、果樹や平和に生きる生命を傷つけてはいけないのだと優しく諭し、一緒にその木を元の位置に丁寧に植えなおした… またある時、族長から、近頃集落付近での落石が非常に多いため、外出する際は気を付けるようにという通達があった。 ヴァレサは、すかさず近くの高所によじ登り、腰に手を当てながら真剣な面持ちで見張りを始めた。そして転がり落ちる岩を見つけるや、すかさず飛んで行って蹴り飛ばし、見事進路変更に成功——! これを知った父はヴァレサを連れて山に登り、落石の出所を見つけては、一緒に土を盛って固め回った。これでしばらくは安全なはずだ… こういうことが起こる度、人々は首を傾げる——この子の力は、強すぎるのではないか?と。 しかし、幼いヴァレサの屈託のない笑顔と、彼女によって秩序が保たれている子供たちの社会を見た大人たちは、ヴァレサの力が暴走することを不安に思うこともなくなった。

ヴァレサストーリー キャラクターストーリー2

両親の判断は間違っていなかった。結局、暴走したのはヴァレサの食欲だけだったのだから。 桁外れのパワーに対する代価のように、ヴァレサはあんよを始めた頃から健康的な少年と同等の食事量を必要とした。そして背丈がちょうど父親の膝ほどになった頃、彼女の一食の食事量は、両親とワナナの一日の合計食事量と同等になった。 だが、幼いヴァレサが食べた分を消耗する場は限られており、そのうち「遠くから見るとヴァルベリーに見える」などと言われるようになった。超肥満体の認定ラインを越えようとする娘を両親は心配した。 ヴァレサの健康のため、そして彼女を仕事に慣れさせるため、両親は彼女に果樹園の世話を手伝わせ、労働によって余分なエネルギーを消費させた。 果樹園の手伝いを始めてから、ヴァレサは色んな事に気がつき、反省した—— 「お父さんもお母さんもワナナも、毎日これだけ働いてるのに、ちょっとしか食べてない。わたしは大した仕事もしてないのに、食べてばっかり…」 「働かざる者食うべからず。まずは真面目に働いてから、ご飯の事は考えよう!」 そしてヴァレサは両親の期待通り、どんどん仕事を覚えていった。 はじめ、ヴァレサは進んで力仕事に精を出していた。ライノ竜の如き怪力で荷物や農具、こまごまとした道具をひょいひょい運んでいくのだ。彼女にとって、力仕事など朝飯前であり、まるで食後の散歩のように、ありあまるエネルギーを多少消費できる程度のことであった。 そして母に教わりながら、心を据えてじっくり観察し、土の耕し方や肥料の配合、水やりの方法など、細かい作業を覚えた。 やがて彼女は果樹園の未来の主として、お手伝いをしてくれる竜よりもはるかに多くの仕事をこなせるまでに成長した。 ウォーベンを読むことや技術の原理を理解すること、それから帳簿や数字の処理は依然として苦手だったが、はじめてのおつかいができるようになった頃には、大人顔負けの立派な果樹園管理人になっていた。 肥満も徐々に改善され、スレンダーとは言えないが、問題ない体型で安定したのであった。 しかし、いくら本人が暴飲暴食の本能を抑え、節制したつもりでも…彼女の食事量は、相変わらず常軌を逸していた。 ヴァレサの両親は彼女を医者に診せて回ったが、どの医者にも「健康でよろしい、何でもおいしく食べれるのが一番だ」と褒められるばかりで、ずっと原因は謎のままだった… むしろ、ヴァレサの様子をしばらく観察したのちに、族長のアカトルが導き出した結論のほうが、納得のいくものだった。つまり、こういうものだ—— 「『テテオカン』の豊かな土壌は優れた作物だけでなく、力強い戦士を育ててくれる。だが、誰もが食べ物に含まれるエネルギーを完璧に扱えるわけじゃない。同じ量の昼食を食べたとしても、ペンチプレス十回で体力が底をつく者もいれば、そのバーベルを持ったまま山頂まで登って行って、ひと踊りできる者もいるんだ。 あまり知られていないが、こんな伝説がある。『テテオカン』には周期的に特殊な体質をもった戦士が生まれるというものだ。彼らは食糧に含まれるエネルギーを必要時にはほぼ百パーセント引き出せるという。桁違いのパワーと、同じく桁違いの食欲の持ち主であるヴァレサは、その一人なのかもな。 全員が全員、古名の継承者や天地に名を馳せる英雄になれるとは限らないが、そうした人々は船の竜骨や建物の礎な存在で、影で皆を支えてくれている。そしてチャンスが来た時に、輝かしい功績を残すんだ。『英雄予備軍』と言っても差し支えないだろうさ——」 族長の推測を聞いて、少なくとも娘に重大な健康問題はないと確信した両親は、ようやく胸をなでおろした。 しかしその時、物心がついたばかりのヴァレサの胸に、最後に聞いた「特別なあだ名」が灼きついたのだった… 「じゃあ、わたしも『英雄予備軍』ってこと?」

ヴァレサストーリー キャラクターストーリー3

「英雄予備軍」という言葉は、幼いヴァレサの脳裏から離れなくなり、次第に、背伸びしたい気持ちは大きくなっていった… 「もしわたしが特別な存在なら、もっともっと頑張れば、きっと本当の英雄になれるよね?」 しかし、英雄という言葉の重みは、幼いヴァレサが想像していたそれを遥かに超えるものだった。 物語の中で英雄たちが敵を倒す場面は数行にも満たず、背後に隠された血と涙は童話やマンガウォーベンでは美化されている… 雄叫びをあげながら向かってくる敵や魔物と生死を賭けた戦いを繰り広げる凄惨な場面は、ヴァレサが見たどのレスリングの試合よりも遥かに恐ろしかった。 初めてアビスに襲われた時、ヴァレサはまだ五歳だった。本能的に果樹園に侵入した最初の魔物を蹴り飛ばしたものの、彼方から川のように押し寄せる黒い波を見た彼女は、怯えてへたり込み、大声で泣き出してしまった。 駆けつけた父は、死に物狂いで敵を退けた。そしてヴァレサと母を担ぎ、ワナナを連れて町の外れにある地下シェルターに潜り込み、入口をしっかり塞いだ。ヴァレサが大声で泣き出さないよう、何とかなだめながら耐え忍んだ末に、ようやく一家はパトロール隊に救助されたのだった。 荒れ果てた果樹園と、不幸にも怪我を負って意識を失っている部族の戦士を見て、幼いヴァレサは涙を止めた。そして爪が肉に食い込んでも気づかぬほど、小さな拳を力強く握りしめた。 ヴァレサは敵が何を考えているのかなど知らないし、知りたくもなかった。ただ、自分の家が荒らされたことと、いつも果物を買いに来てくれるおじさんおばさんたちが、もう二度と目覚めないかもしれないほどの大怪我を負ったことだけを知った。彼女は、自分が物語の英雄のように、アビスの魔物が視界に入った瞬間になぎ倒せていれば…と切実に思った。 一家全員、力を合わせて何とか果樹園の引っ越しと再建を済ませた後のヴァレサは、もう以前の天真爛漫な子供ではなかった。 ヴァレサは両親の許可を得ると、小さな仮面をつけ、ジムで最も重いダンベルを引きずって、大プロレス場の控室の石の扉をこじ開けた。そして、その場にいるレスラーたちに格闘術を教えて欲しいと頼み込んだ。 「英雄予備軍」たる者、己の弱さと向き合い、自分の怪力を部族を守る力に昇華させなければ、という一心だった… しかし、少し横柄なところのあるレスラーはヴァレサをただの子供だと思い込み、面倒くさそうに彼女を追い払おうとした。するとヴァレサは問答無用で戦士の足を掴んでリングに引きずりだし、彼らの表情をこわばらせた。さらに、ヴァレサが軽く押しただけで、レスラーはバランスを崩してリングから転がり落ちてしまった。そうして彼女は、自分が大人に負けない力を持っていることを証明したのだ。 戦士たちと噂を聞いて駆けつけてきた族長アカトルは、少し話し合った末に、満場一致でヴァレサの願いを受け入れた。 勇猛な「豊穣の邦」で大人を超える力を見せることができたヴァレサは、部族の大人と見なされるようになった。 それから、ヴァレサは多くの戦士から指導を受けた。どのような戦闘スタイルが自分に合っているのかも分からなかったため、英雄たちへのイメージを頼りに色んな戦い方を試し、自分にとっての最適解を探すしかなかった。 そこから何年にもわたって座学と実戦訓練を織り交ぜた訓練に励んだヴァレサだったが、いざ敵を前にすると、緊張のせいか、あるいは戦慣れしていないせいか、本能に任せたタックルや幼少期から記憶に刻まれた飛び蹴りにばかり頼ってしまう癖があった。剣も刀も斧も、ヴァレサにかかれば投擲武器と化す。 そのため、一部のヒルチャールはヴァレサの突進に対して武器を投擲することで対抗するようになった。ところが、それがサポートに駆けつけたイアンサを傷つけたことがあった。この出来事がきっかけとなり、トップコーチのイアンサは責任をもってこの特別な後輩を指導する決心を固めたのであった。 ヴァレサの潜在能力を引き出すため、イアンサは強力かつ効率的な訓練カリキュラムを組んだ。そして、イアンサはヴァレサの才能が、すべての学生の中でずば抜けていることに気づいた。彼女は直感のみを頼りに、理論派の学生が長期間鍛え続けた末にやっと発揮できる力を、やすやすと引き出せるのだ。 この子はいつか自分を超える人材となる——そうイアンサは確信した。期待に胸を躍らせながら、「絶対に負けないからな」と宣言するコーチの前で、ヴァレサはすっかりうろたえてしまったものだ。 訓練中、ヴァレサが撃退した敵の数は四桁にのぼる。しかし、壊した武器を数えれば三桁は下らないし、もう勘弁してくれと訴える戦士も二桁ほどいた。最終的に、イアンサは一つの結論にたどり着いた。 ヴァレサは確かに怪力の才能を持っているが、力が強すぎるのだ。そこで一般的な近接武器の使用は避け、レスラーなどの武器を使わない戦い方を参考にし、自身の長所を最大限発揮するべきだと考えた。 イアンサの推薦で、ヴァレサは正式に部族のパトロール隊に加入した。そして、各戦線で頻繁に出動する中で、戦闘スキルを磨き始めた。 そしてパトロール隊加入二ヶ月目に、ヴァレサは再び厳しい試練に立ち向かうことになった。 魔物の波が再び押し寄せてきたのだ。三日間も続いた波の様な攻勢に、戦士たちは次第に疲弊していき、ヴァレサも危うく命を落とすところだった。 しかし、ヴァレサはこの戦いで表彰された。そして、彼女はどんどん勢いを増していった…

ヴァレサストーリー 英雄の仮面

ヴァレサが最初に知った英雄であり、最も影響を受けた歴史上の人物を、フィエテナという。 芸術作品に描かれるフィエテナは、赤い仮面を被って戦う。素早い突進と華麗な近接戦を得意としており、唯一無二の戦闘スタイルで知られていた。 「豊穣の邦」出身だったフィエテナは、何度も手柄を挙げ、故郷の安寧を守っただけでなく、他部族の救援に幾度も赴いた——その数はなんと、数百回にのぼるとも言われている。そして彼女はやがて、「花翼の集」の戦士と恋に落ちた。彼女が「花翼の集」に嫁いだのち、夫婦は両部族の親睦を深めることに力を尽くしたという。 古名を受け継ぎ一世を風靡した六大英雄ほどではないが、フィエテナもまた人々の尊敬を集めたレジェンドであったことは疑う余地もない。 ナタのラクガキ文化と外国の流行作品の融合により、英雄の物語にも絶えず新たな要素が加えられてきた。ヴァレサの好きな「マンガウォーベン」にも、デフォルメされた芸術的表現で胸が熱くなるストーリーを描いた名作が目白押しだ。一味違った経歴を持つフィエテナは、瞬く間に作家の間で大人気のキャラクターとなった。 フィエテナが登場する「マンガウォーベン」は全部で十二作もあるが、その容姿は様々で、五つのバージョンがある。 ヴァレサは「こだまの子」を訪れるたびに職人たちから鍛造の技術を学び、その技術でフィエテナが被っていた五種類の仮面を作った。 そのうち四つは、ヴァレサ自身のコレクションに加えられた。最後の一つは、フィエテナが二回目の夜巡者の戦争で被っていたとされる、一番特別なものだ。 壮大なストーリーが込められた仮面だが…登場人物が多く、スケールの大きい戦闘シーンを描くことは至難の技だったのだろう。横からのカットが数回あったのみで、フィエテナの正面の姿はどこにも描かれていなかった。 そのため、ヴァレサは自分の直感に従って仮面の模様を補完した。そして、それを自分が全力を出して戦う時のトレードマークとした。 ただ…ヴァレサが自由に補完しすぎたために、彼女の仮面はフィエテナの仮面とは程遠いものになっていた。 ゆえに人々はフィエテナの仮面を模倣したものだとは気づかず、ヴァレサ自身のオリジナルデザインだと勘違いするのであった。 みんなの反応に、ヴァレサは当初、がっかりして落ち込んでしまった。 しかし、「豊穣の邦」と周辺地域の安全を守るパトロール隊の一員として任務を完遂して戻ってくると、いつも必ずお礼が届けられた。 ヴァレサの大好きな食べ物や、綺麗な手芸品とともに感謝の意が綴られた手紙。 そして、約束したかのように手紙に描かれる、小さな仮面のマーク。いつの間にかそれは、ヴァレサのトレードマークとして人々に認識されているようだった。 コーチのイアンサは満足げに頷いて言った—— 「フィエテナの功績はいつまでも人々の記憶に刻まれることだろう。だが、アンタが日々努力した末に残した功績はアンタだけのものだ。仮面のマークは、みんなの心からの賛辞として受け入れたらどうだ?」 イアンサのアドバイスを聞いたヴァレサは、新たな目標を定めた。 「もしいつか…みんなに認められる英雄になって…物語に登場したり、わたしを主人公にしたマンガウォーベンとかが描かれたりするようになったら…この仮面を正式に『ヴァレサの仮面』って名付けよう!」

ヴァレサボイス 雷の日…

ひやぁぁーー!…フィエテナさまなら雷に体当りして跳ね返せるって、ウォーベンで見た…!わ、わたしも怖がっちゃダメ…ひゃうっ!

ヴァレサボイス 「神の目」について…

ウォーベンによると「神の目」はとても大事な瞬間に、運命的な光を帯びて、特別な人の手にゆっくり降りてくるんだって。けどわたし、神の目を手に入れたときのことって、詳しく覚えてないんだよねぇ…ただ、とても怖い夢を見てた気がする…夢の中で、わたしは部族の正門で魔物と戦ってて…一度死にかけたの。けど目が覚めると、神の目がわたしの額に置かれてたんだ…まさか、夢の中で英雄の誰かが祝福してくれたのかなぁ?

ムアラニ評価 ヴァレサについて「ヴァレサについて…」

ヴァレサ…あっ!ヴァレサちゃんのことだね!実力はあるのに、試合が苦手なかわいい子!イアンサが前に、あの子をここに連れてきて水泳の特訓をさせてたよ!休憩中によくビーチに寝転がってマンガウォーベンを読んでたから、あたしもいくつか読ませてもらったんだ!ヴァレサちゃんってさ、昔の勇士の名前をたくさん知ってて、あたしたち「流泉の衆」の戦士も知ってるの。あたしでさえ覚えてない戦士もたくさんいて、本当にすごいんだよ!

任務任務 謎煙の手紙

スピリットを求めしウォーベン・上

そのほかのゲーム内テキスト

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【イベント説明】 「こだまの子」の近くで、芸術家ヴィジェが革新的な「ウォーベン」を使って、人々に「クロスオーバーチャレンジ」という魅力的な物語を体験させようとしている… 【参加条件】 冒険ランク20以上、かつ魔神任務「龍と自由の歌」をクリア。 【イベントルール】 他3名のプレイヤーとマッチングし、ランダムに選ばれた1…

…界を突破するような挑戦を好んでいる。 一方、人々にあまり広く知られていない点もあった。それは、彼女は驚異的な忍耐力を持ち、長時間座っていられるという点だ。書籍やウォーベンを集中力を切らさずに、長い時間読むことができる。 そんな彼女のもう一つの主なインドア趣味は、謎解きをすることであった。論理的推理であれ、法則を見つけることであれ、内容が画像であろうと数字であろうと、あるいは物語であろうと、彼女は瞬く間に夢中…

すぐに一枚のウォーベンが出来上がった。

ウォーベンによると「神の目」はとても大事な瞬間に、運命的な光を帯びて、特別な人の手にゆっくり降りてくるんだって。けどわたし、神の目を手に入れたときのことって、詳しく覚えてないんだよねぇ…ただ、とても怖い夢を見てた気がする…夢の中で、わたしは部族の正門で魔物と戦ってて…一度死にかけたの。けど目が覚めると、神の目がわたしの額に置かれてたんだ…まさか、夢の中で英雄の誰かが祝福してくれたのかなぁ?

成功してくれれば、古代遺物の刻印と、朽ちかけたウォーベンに書かれたことが今も有効であることを証明できる。

花翼の集で受け継がれているウォーベン。元々は異なる時代の二つの物語だったようだが、いつの間にか一緒になってしまった。

あなたの物語に関するウォーベンでは、どれも聡明で威厳のある姿で描かれている。神座を利用することで死の執政と取り引きをして、ナタ独自のルールを作ったという話もある。

「当店は『こだまの子』から仕入れた高品質な鉱石のみならず、『豊穣の邦』選りすぐりのウォーベンのほか、各種国外から輸入した原材料を使用しています。」

「…『ウォーベン』にフィクション小説を記録?申し訳ありませんが、問い合わせ先をお間違いになっているのでは?ここは『談議室』で、『謎煙の主』でも出版社でもありませんよ。」

もし「ウォーベン」にも載ってなければ、各部族の人に連絡して、関連する資料がないか聞いてみるの。

…けど、アタシの胃袋はそうはいかない。だから、もっと効率よく栄養を取る方法を探さなきゃならなかった。怪我のせいで外にも出られなかったし、せっかくだから食材に関するウォーベンを借りて、オリジナルメニューを考案してみたんだ。何度も失敗して、ようやく完成したレシピだ。そのメニューのおかげでアタシはすぐに全快したし、ベンチプレスの記録も更新したんだぜ。ただ…このメニューを広めようとしたけど、残念ながらクラブのやつら以…

やっぱりウォーベンに描かれてた通り。ウォーベンを信じた私もすごいわよね。

イベント「スピリットを求めしウォーベン」で獲得

謎煙の主はウォーベンの技術を提供し、精神面のサポートを行う予定ですが、僕はウォーベンに詳しくないし、人を慰めるのも苦手だから…後方支援部隊に入って——

親愛なる旅人さんへ イベント「スピリットを求めしウォーベン」がまもなく終了いたします。 イベント報酬の受け取り忘れにご注意ください。

燃素を吸収した木に実る、宝石のような果実。液体燃素の環境に広く分布している。 一部の古いウォーベンに残された、ワシャクラフン・ウバ・カンに関する物語の中には、スピネルの実を宝石だと言って聖山に巣くう巨龍を欺いたエピソードが記載されている。欲望に目がくらんだ龍は、「燃素」の種火とキラキラの「宝石」を交換したわけだが…騙されたことに気づいた…

ナタの伝統料理。じっくりと火を通したおかげで食材の中に旨味エキスがたっぷり閉じ込められている。料理の風味にさらなる華を添えるのは、まるで貴重なウォーベンに織り込まれた金糸のような、ほのかに漂うスモーキーな香り。一口ほおばれば、誰もが感嘆の声を上げてしまう。

あたしはナタの「マンガウォーベン」をベースに、いろんなテーマを取り入れて作ってみたの。

「続いて、柔らかなウォーベンを土台に敷き、快適な寝床を繕ってあげます。」

彼は古今東西すべてのウォーベンに書かれた物語を記憶していて、各集落に赴きそれらを語り伝えたと言われている。まぁ…ついでによく人を騙して飲み食いしていたらしいが…

…か?」 「いや、特にない。ただ…物語を聞いた限りは、物語を伝えていく責任があると思ってね。」父は鉄のハンマーを下ろして、汗を拭いながら言った。 「でもそれなら、ウォーベンに記録するか、石にでも刻んどけばいいじゃん?」 「物語を伝えるだけなら簡単よ。」 母が櫛を手に取りながら言った。シロネンに新しい髪型を試すつもりらしい。 「でも、本当の物語を伝える覚悟がある人ばかりとは限らないでしょ。」 「じゃあ、テイーズ…

イベント「スピリットを求めしウォーベン」終了時間のお知らせ

私、いま「あらゆる傷を治す秘薬」を探してるの。古い秘密のウォーベンに書いてあったのよ。どう、仲間にならない?

「ダイナミック・ウォーベン」はまさにその試みの一つよ。これからも、いろんな国に行って、いろんな芸術を学びたいと思ってるわ。

精密加工の能力を鍛えるために、よく複雑な形をした小さなアクセサリーを作ってるんだよねー。たとえば、網の形をしたペンダントとか、ウォーベンみたいなイヤリングとか。出来上がったら、それを友達やお隣さんにプレゼントするの。 ん?指輪は作れるかって?モチのロンっしょ!何日か前にシャクギクの形をした指輪を作ったばっかだしね。まぁ設計図を描くだけで、だいぶ手間取ったけど… 欲しい?いい…

「ダイナミック・ウォーベン」について…

部族「花翼の集」が信仰し崇拝する「大霊」は、トーテムと夜魂の力を借りて地上に顕現する存在である。 遥か昔、大霊が顕現した時の姿は今とは異なり、ずっと荒々しく、黒曜石に似ていたという。しかし、大霊の化身の姿がウォーベンによって記録され始めてからは、ほとんど変わっていない。 「花翼の集」では、「大霊」は炎と燃焼を操る力を持ち、熱と灼風の流れを掌握することができると信じられている。

実はここが古いウォーベンに記された、人類が燃素の修行を始めた場所なの。

こだまの子に代々伝わるウォーベン。五百年前の英傑スンジャタの若い頃の伝説が記されている。

ショコアトゥルの種で作られたナタの飲み物。ショコアトゥルの種の濃厚な香りと混ざり合った純粋なミルクの香りが、柔らかく滑らかなウォーベンのように、舌を軽やかに撫でる。後に残ったかすかな甘みは、心まで溶かしてゆく…

そんなはずないわ。古いウォーベンの解読に関しては、お姉さんはとても自信が…そこそこ自信が…えーと、ちょっぴり自信があるんだから!

「聖山」っていうのは、遥か昔のウォーベンに載っていた呼び方をそのまま使ってるだけです…わたしたちにとっては、「聖火競技場」のほうが神聖ですよ。

サンハジ・コンポレが直々に編んだとされるウォーベン。内容は短く奇妙で、一般的には架空の物語だと考えられている。

「聖火を灯し世界を照らした英雄は、星を枕に安らかに眠った。」 「彼らが残してくれた石一つ、ウォーベン一枚を礎石とし、我々は永遠に絶えぬ文明を築いた。」

知っての通り、「謎煙の主」には他のものはさておき、昔の物語のウォーベンだけは山ほどあるわけ。で、秘薬を見つけたら山分けでいいから…

「謎煙の主」は物語を紡ぐ自由を主張してるけど、一番基本的なルールは守ってほしいな。少なくとも「語り部」じゃないと、物語を語る資格はないと思う。だから、ルールを違反してる、このウォーベン作りの小さな組織を取り締まってきてほしい。彼らの拠点はにある。はぁ、どんなウォーベンを作ったか知ってる?炎龍が女性で、偉大なるシュバランケと彼女が…興味深い内容だけど、しばらくは控えてほしいね。

精巧で華麗な織り機の模型。黒曜石の老婆が使用しているスピリットの織り機の等身大レプリカ。残念ながら、この模型には織り機としての機能はなく、ウォーベンや布地を生産することはできない。また、霊視断片を記録する機能もない。これらの機能を排除したのは耐用年数に影響を与えてしまうだけでなく、そもそも必要がないからだ。壺洞天での布地の生産効率の話をするならば、どんな織り機も、マルの仙力には及ばないだろう。

…みずみまで足を運び、精力的に調査を進めていたのである。それだけではない。集落を出て「懸木の民」の伝達使や「流泉の衆」のミュージシャンを訪ね、「謎煙の主」に頼んでウォーベンを調べ、「花翼の集」の崖を登って「豊穣の邦」にまで足を延ばしたのだ——テイーズがこの世に残した、すべての痕跡を辿るために。 シロネンは、そうして集めた証拠を武器に、テイーズに対する誹謗中傷に反論し、あらぬ噂を断ち切った。 ありのままの彼女を…

…焼いても、その冷たさは消えない。 古い呪術の伝承では、「シャトル」そのものが異なる領域を貫く媒体を象徴している。一説によれば、人々がまだ日々を数えることも物語をウォーベンに織りなす方法も知らなかった荒れ果てた時代…霊火の野原を流浪していた巨龍の忘れ去られた言語では、漆黒の静寂の星間を巡る構築物をも「天空のシャトル」と呼んでいたそうだ。世界を覆い尽くす分厚いベールでさえ、燃えるシャトルは貫いていく。 無論、こ…

謎煙の主は代々、色とりどりのウォーベンでナタの歴史を記録するという古くからの伝統を守ってきた。偶然、謎煙の主を訪れたあなたはその伝統に関わる、ある使命を与えられた… その使命を果たすには二百年以上、解決されていない謎に挑まなければならない。ある不思議な「色」がその謎のカギになるらしい…

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