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ヌヴィレットが竜の姿だった時代に、その涙から生まれたとされる。小柄で、帽子をかぶっていて、名前はみな自分で選んだもの。
マレショーセ・ファントムで警察官として働く者もいれば、喫茶店を営む者もいる。人間の社会に完全に溶け込んでいるが、彼女たちの出自を知る者はフォンテーヌにも多くない。
エリニュスに生まれた小さな種族。ヌヴィレットの眷属的存在
ヌヴィレットが竜の姿だった時代に、その涙から生まれたとされる。小柄で、帽子をかぶっていて、名前はみな自分で選んだもの。
マレショーセ・ファントムで警察官として働く者もいれば、喫茶店を営む者もいる。人間の社会に完全に溶け込んでいるが、彼女たちの出自を知る者はフォンテーヌにも多くない。
……でもメリュジーヌは強くて、赤いのより速くて……
…彼はこのようなことで悩むことは二度とないと思っていた——メリュジーヌたちが徐々にマレショーセ・ファントムに加入し始めるまでは。フォンテーヌ廷から遠く離れた場所に住む人間の警察隊員たちは、パレ・メルモニアが提供する寮に住むことができる。当然、ここで働くメリュジーヌたちも、同じ権利を持っている。…
…種族として比較的若いメリュジーヌを大勢招き入れた。…
…ある日、偉大なカニ魔大帝がブクブクと孤独な泡を吐いていたとき、一人の小さなメリュジーヌに出会った……
最高審判官の言動は謙虚で穏やかなものなのに、いつも妙な疎外感を覚えるの…それとも、彼も人付き合いがあまり好きじゃないとか?でも、メリュジーヌたちと話す時はやたら親身だったけど。
書類を手に取ることができるようになり、リオセスリは自分の事件記録を閲覧した。内容は多くはないが、フォンテーヌ当局が調べうる情報のすべてだった。里親の売買記録によれば彼は捨て子として引き取られたそうで、それ以外にめぼしい情報はなかった。 目を通すうちに見覚えのある名前を見つけた。ぼんやりとした人の顔が記憶の中で束の間に浮かび上がっては、ページをめくる音と共に脳裏に消えた。リオセスリが望めば、自身の人脈を使うことで昔の仲間の現在を調べることもできただろう。しかし、その考えは浮かんだ瞬間にかき消された。 彼らにとってみれば、リオセスリは思い出したくない過去を象徴するようなものだ。そしてリオセスリにとっては、それらの名前はもはや今の生活を形作る一部ではなくなっている。彼には新しい身分、新しい住まい、新しい友人がいる。 それは普通とは違う体験だ。知り合いは大勢いるが、友と呼べるのはごく一部で、中には少なからず人間ではない者がいる——メリュジーヌたちは確かに人とつるむのが好きだな、と彼は思う。見た目だけで彼女たちの小さな体と年齢を結びつけるのは難しい。だが彼女たちが見せる善意には、確かに年長者特有の純朴さがある。「年端もいかない生き物は根っからの善良で、親心を持って接するにふさわしく、予測のつかない無限の未来が待っている」と彼女たちは信じているのだ。 リオセスリは何度もメリュジーヌの世話になった。無一物で街を彷徨っていた頃には、通りがかりのメリュジーヌが温かいスープをごちそうしてくれた。鉄拳闘技場に出るたびケガをして戻っていた頃は、医務室のシグウィンが毎回親切に迎えてくれた。そして、極秘事項を調べる必要があった時には、マレショーセ·ファントムの警察隊員たちが法律の範囲内でできる限り手を差し伸べてくれた。 それゆえに、メリュジーヌがメロピデ要塞を見物に来るたび、余計な面倒事が起きる可能性があってもリオセスリは黙認してきた。警告すべきことは看護師長が伝えてくれるため、自分までしつこく言う必要はない。ましてや彼女たちに彼の目を盗んであちこちにステッカーを貼る能力があるなら、その身の安全をわざわざ心配してやる必要もないだろう。
床に広がった赤錆色を見つめるリオセスリの頭に、非常に場違いな笑い話がふと浮かんだ。ここにあるすべての血痕を調べようと思ったら、メリュジーヌの警察隊員は全部で何人必要になるだろうか? そして、すぐに違うことを考え始めた。「自分と自分を騙した者が流す血はこんなにも似ていて、しかも混ざり合うだなんて吐き気がする」と。 しかし彼はすでに吐く力など失っており、指一本すら動かせない。思考も温度感覚も鈍くなり、頭の中に残されたのは深い霧だけ——これまでの人生において、思い出すほどの価値あるものなど彼にはなかった。 だが、死ななかった。生きて罰を受けよと神が望んだのだろう、彼が病院のベッドで目を覚ますと両手は金属の手すりに繋がれていた。立派な身なりの女性が緊張した面持ちで彼を見つめながら、離れたところで椅子に座っている。生まれつきの反社会的な非行少年だと勘違いしているのだろう。 彼女は筆記用具を取り出して彼に名前を聞いた。リオセスリは長く沈黙した。そして、以前新聞で見かけた訃報と、晩年を幸せに過ごしたその死者の長くて言いづらい名前を思い出した。その名前を特に気に入ったというわけではなく、養父母に与えられた名前をこの先使いたくはなかっただけだ。 女性はうつむいて「リオセスリ」と記録すると、審判の日——彼が病院を離れて動けるようになる日だろう——について簡潔に伝え、足早に立ち去った。 審判は順調に進み、心は弾んだ。罪が彼の手を染め上げ、心の奥底に根を張り、正義の判決が下されることを渇望する。彼は殺人の一部始終を漏れなく陳述し、細部まで補足したため、観衆が事件について議論を交わす余地はほとんど残されていなかった。観衆はまず孤児に関連した過去の事件について話し合い、規則性を探ろうとしたが見つけられなかった。次になんと彼の肩を持ち始めて、復讐相手は元々卑劣だったのだから罪を背負うべきではないと考えた。 こういう背景音は最終判決になんら影響も及ぼさない。審判の終了後、彼はただちに海の底に送られ服役することになった。出発前、判決書を書いた共律庭の職員は、再度彼に個人情報を確認した。 「あなたの名前は…リオセスリだね?生まれた日は?」 「…今日だ。」
俺の背中にメリュジーヌが描いたステッカーが貼ってあったら、剥がしてくれるかい?
シグウィン看護師長は医療従事者として持つべきすべての美徳を兼ね備えた人物で、周りの仲間全員に気を配ってる。 だが、どうやら俺から一部の悪癖を学んでしまったらしい。例えば…彼女はよくメリュジーヌの友人と賭けをするんだ。俺の所有物により多くのステッカーを貼れたほうが勝ちってな。まあ、別に困っているわけではないが。
フォンテーヌでは、様々な理由から法律に奇怪な条文が多く残されてきた。ヌヴィレットもその中の一条に貢献している。「メリュジーヌに対しては物を指す『代名詞』ではなく、人を指す『彼女』を使う」。 一見すると確かに奇怪な条文だが、よく考えてみれば道理にかなったものである。メリュジーヌたちは近現代のフォンテーヌの様々な方面に彩りを添えている。その呼称を発端に彼女たちの平等な権利を主張することは、非常に強いメッセージとなって伝わった。 フォンテーヌの人々は皆、ヌヴィレットの態度がメリュジーヌと人間とで温度差があることに気づいていた。それについて人々は、彼の抑圧された優しさが父の愛情へ変わり、心の拠り所を見つけたのだとしか考えなかった。 これは確かに的を射ているのかもしれない。だが、ヌヴィレットの素性をよく知る人物からすれば少し奇妙に感じるだろう。 ——ヌヴィレットは水の龍である。彼は確かにメリュジーヌを自身の眷属であり後継者、すなわち最も優れた新世代の水のヴィシャップだと見なしている。しかし、それと同時に彼はこの世界の秩序を壊す者であり、神々の審判者、人類の敵でもある。彼はなぜメリュジーヌのために人間の権利を勝ち取ろうとするのだろうか? 旅人を除いて、そのことを彼に質問できる者はいない。そうして彼はこう答えた——「メリュジーヌたちは人間と一緒にいることのほうが好きなのだ。どうしようもできない。」
彼ほど偉大であっても、照らしてくれる星屑はもう存在しない。結局「運命」とは、この世界の現在の主が生命を弄んだに過ぎなかったのだ。 今の彼はこの世の七分の一の権力を取り戻し、「完全なる龍」の王座と肩書きを再び作り上げた。「人の世界」を外れて対等に歩むことから離れた彼は、世の理から言って「運命」という名の体系に加わる必要などもうない。 彼には、運命という星空のもとに多くの星が互いに紡がれ、目の前に複雑で脆い世界を形成しているのが見えた。彼はもともと、この「神聖なルール」で取り繕った操り人形の糸が、いずれ裁きの烈火によって焼き尽くされるであろうことを気にも留めていなかったが、様々な甘言で説得されもした。 「それなら、キミはフォンテーヌの人々を見ていればいい。彼らが胎海の水から生まれた以上、この星由来の生命であることを意味していて、キミが見るべき種に属すのだから。」 彼は、自分が人間の悲喜に魅了されていることを決して認めなかった。彼は「人も雨の日の水たまりに起こる波紋を見て魅了されることがある」と弁解し、「王たるニーベルンゲンの考え方は間違っており、すべての生命が一致団結した時だけ、漆黒の無に対抗することができる」と説いた。 彼は最終的に「運命」の中に加わった。天が彼に残した特殊で高貴な地位——それは執政者と世界に匹敵する者だけが持てる、自らの影である。 ——もちろん、彼は生まれつき人の姿をしている。では、なぜ彼の星座の名前はリヴァイアサンなのだろうか?これらはすべて、まったく別の世界のことであり、運命とはあまり関係のない版があるのかもしれない。 「ヌヴィレット」という名前の時の彼は、たまにメリュジーヌたち(特にシグウィン)につきまとわれる。彼女たちはスチームバード新聞の星座コーナーやスメールの占星術冊子を持ってきて、占ってみたいと言うのだ。だがヌヴィレットは、自分には命ノ星座がない、もしくは自分の命ノ星座は「ヌヴィレット」座であるなどとは到底口にできないだろう。
メリュジーヌはフォンテーヌが誇る美しき生命体だ。彼女らとは良い関係を築くといい。決して、傷つけたりしないように。
確かにフォンテーヌには、珍しい法律が数多くある。例えば「月始めの三日間は飛行物体を放ってはいけない」、「乾季に座礁した二枚貝はすべて水神のものであり、巻貝は民のものとする」、「ペットの名に『フリーナ』とつけてはいけない」、「食堂やレストランでケチャップのみを食べるのはいけない」、「メリュジーヌに対しては物を指す代名詞ではなく、人を指す『彼女』を使う」…最後の一条は私が推し進めたものだ。
フリーナの時間は大半が事件や公演に費やされているが、これら二つがたとえ無くとも、彼女は色々な外交や政務の応対の場に姿を見せる。 もちろん彼女の仕事は通常、表に立って応対するのみに限られており、裏での実際の職務、応対場面での重要な発言に関してはすべて他の人が受け持っている。 これらの仕事を代わってくれる人に対し、フリーナは深く感謝している——なぜなら、他国の神は常に大小様々なことで悩みが尽きないと聞いており、現在の生活がとても得難いものであることを理解しているからだ。 また、彼女は神として模範を示すべきだと考え、手が空いているときにはパレ·メルモニアの実際の業務に加わろうとしたことがある。 …だが結果は、毎回必ず人間やメリュジーヌに遠回しに断られた。その理由は「今は神に任せられる重要な仕事がない」というものだった。 それを聞いて最初は嬉しがっていたが、回数を重ねるうちに彼女もパレ·メルモニアの仕事で退屈しのぎをするのは叶わないことだと気づいた。 また、フリーナには小動物と戯れるという、大半の人が知らない趣味があった。 フォンテーヌの透き通った広大な水域、美しい風景、可愛らしい精霊も数多くいる。いつも人間を相手にしていた彼女にとって、気分転換にちょうどよかった。 ただ、動物たちの習性はみな異なるため、フリーナの気ままな性格が動物たちの逆鱗に触れてしまうこともあった。たとえばボウシクラゲが噴き出す泡を顔面から浴びたり、狩猟刀エイに追いかけ回されたり… ある意味、水中の世界は陸上よりも原始的で野蛮である。何と言ってもここの住人たちは相手が神だからといって気を使うことはないのだ。 しかし月日が経って、フリーナは最も親しく触れ合える動物を見つけた——それは砂浜に寝そべって日光浴をするプクプク獣である。 顔をつついてもお腹を撫でても、さらにはごろごろと転がしてみても何の反応も示さず、せいぜいこちらを向いて無言の抗議をするくらい。 「どうだい?こういうのが好きなのか?フフッ、僕もだ!」 ——ちょっとしたミスコミュニケーションもあるが、今では仲良しである。
特巡隊とメリュジーヌは昔から友好関係にある。我々はよく、マレショーセ·ファントムのメリュジーヌと連携を取っているのだ。あの子たちは善良で、誠実で信頼でき、いくつかの重大事件を処理するときには、貴重な役割を果たす…私も個人的に、何人かのメリュジーヌといい関係を築かせてもらってる。そのうちの一人が、シグウィン看護師長だ。 過去から現在に至るまで、メリュジーヌはなくてはならない仲間だ。今後…あの者たちを傷つける不届き者が再び現れたら、特巡隊の銃口は決して情けをかけはしないだろう。
看護師長になった後、シグウィンがメリュジーヌでありながら人間の姿をしていることは公然の秘密として広まり、メロピデ要塞の外にいる人たちの耳にまで届いた。 シグウィンは人間とメリュジーヌのハーフではないかと勘繰る人もいたが、それを口にした人は例外なくマレショーセ·ファントムから厳重な警告を受けた。最高審判官のヌヴィレットも「うつけ者たちが邪な企みを持たぬように」とこの憶測を公に否定した。 シグウィンはより人間社会に溶け込むために特製の仮面と手袋を身につけていると推測する者もいたが、その説もすぐに世論に否定された。なにしろ人間がメリュジーヌを排斥していたのはずっと昔のことで、今のシグウィンにはそうする必要が全くないからである。 新聞社は大衆の好奇心にビジネスチャンスを見出し、数名の記者をメロピデ要塞に派遣してシグウィンにインタビューすることにした。 「不躾な質問で恐縮ですが、なぜ今のような容姿をされているのか教えていただけますか?」 記者たちはいたって丁寧な言葉遣いだったが、答えを待ちきれずにいた。シグウィンはその質問に対して真剣に考えを巡らせた後、遠い過去の思い出から紡がれた物語を語り始めた—— 人間とメリュジーヌがまだ互いを信頼していなかった時代、ある小さな女の子だけがシグウィンの友達になってくれた。しかし、ある日女の子が急病を患ってしまう。手遅れになる前に駆けつけることができた医療従事者はシグウィンだけ。にもかかわらず、女の子の両親はシグウィンがメリュジーヌだからという理由で彼女の診察を拒んだ。 友人を助けたい一心のシグウィンは恐ろしい魔女婆さんを訪ね、お願いした。シグウィンの決意を確かめた魔女は、罪から調合されたポーションを手渡す。そのポーションを使ったシグウィンは人間の顔と手足を手に入れ、そして友人を助けることができた。 シグウィンが語り終えると、記者たちは困惑しながら互いに顔を見合わせた。 「看護師長、今のお話はどこかの童話でしょうか?」 「ううん、本当のことよ」 シグウィンの目を見た記者たちは再び戸惑った。彼らは皆一流で、インタビューを受けている者のあらゆる嘘を見抜く自信があった。ただ、シグウィンの眼差しに嘘の色など微塵もない。 そうして記者たちは落胆した様子で引き上げていった。大衆の好奇心がこの物語を受け入れることはないと思ったからか、シグウィンのその答えは新聞に載らなかった。 それ以来、シグウィンの周りの人々は、彼女にとって容姿は触れられたくない秘密なのだと思うようになり、このことについてもう聞かないようにしようと密かに約束を交わした。しかし、シグウィンだけが知っている——彼女は故意に何かを隠したわけではないのだ。ただ、その時の彼女はまだ事の真相をすべて知らなかっただけなのである。
メロピデ要塞に入ってから、シグウィンはヌヴィレットと文通をしていた。 彼女はヌヴィレットからの手紙に対して一通一通、真剣に返事を書く。時々、パレ·メルモニアにずっといて退屈しないのかと心配し、メロピデ要塞での面白い出来事を書き添えるようにした。 「親愛なるヌヴィレットさんへ、こちらはすべて順調よ。この間お願いした医療用物資もすべて届いたし、手配してくれてありがとうね!」 「最近、また面白いことがあったのよ。新しい男の子が来たんだけど、入って早々ずっと威張ってた顔役を負かしたの!でも、その子もそれで怪我をしちゃったけど。その子はね、まだ若いんだけど、ウチが知ってるどの大人よりも強いの。医務室に傷を縫いに来たときなんか、意識をしっかり保っていたいから、麻酔は不要だって言うのよ…」 今回、ヌヴィレットの返信はいつもよりかなり早く届いた。彼は少年のことを知っており、シグウィンに気にかけるよう頼んだのである。手紙の口調はいつも通り硬いものだったが、それでもシグウィンはヌヴィレットが少年に向ける関心を感じ取った。 そうして、文通ではその少年の話題が定番となった。 「親愛なるヌヴィレットさんへ、今日彼がまたケンカをして怪我をしちゃったのよ。あいかわらず麻酔は不要だって言うけど、こっそり彼の紅茶に麻酔薬を入れたの。ぐっすり寝るのを待ってから傷口を縫ってあげるつもり。彼は毎回我慢して声を出さないけど、本当はとても痛いって分かってるからね」 「親愛なるヌヴィレットさんへ、彼は今日もウチ特製のミルクセーキを飲んでくれなかった。身体にすっごくいいのに…」 「親愛なるヌヴィレットさんへ、彼の身長がとても伸びたのよ。もしかしたらもうヌヴィレットさんよりも背が高くなってるかも…」 「親愛なるヌヴィレットさんへ、この前報告した薬品紛失の件だけど、彼のおかげでもう見つかったのよ。今じゃメロピデ要塞のことで彼が知らないことはないかもね…」 「親愛なるヌヴィレットさんへ、この間お知らせもあったし、ウチもこれからは彼のことを『公爵』って呼んだほうがいいかしら?」 …… それから何年も経ち、リオセスリという名の少年がメロピデ要塞の新しい管理者となった。彼はある偶然からシグウィンとヌヴィレットがずっと文通をしていたことに気づいた。 「どうやら、最高審判官さんは俺の近くにスパイを置いていたようだな」 「どうしてそんなふうに言うの?ウチはヌヴィレットさんが公爵のことを心配してたから、手紙に書いてあげてたのよ」 リオセスリはそんなシグウィンの言い分を認めなかったが、反対もせず、代わりに入獄前のことを話し始めた。以前、彼が非常に腹を空かせていたとき、どうにか金を稼ぐすべを見つけようと道端に捨てられた新聞を物色していた。その時の彼を助けてくれたのは「彼のことが心配なヌヴィレットさん」ではなく、親切なメリュジーヌの警察隊員だった。その警察隊員がくれた食べ物があったからこそ、彼は困難な時期を凌ぐことができたのだ。 「あの最高審判官さんが誰かに関心を示すことはない…いや、正確にはできないんだ。これは彼が最高審判官として受けなければならない制約の一つだ。誰かを心配することに関しては、彼の部下のほうがずっと多くの自由を持っているだろう」 「だがまあ、これからも手紙を続けてくれ。どんな話をしても構わない。これが俺の受けなければならない制約ってわけだ」 リオセスリがその場から離れても、シグウィンは何も言えずにいた。何でも知っているリオセスリでも間違えることがあるのだと驚いたからだ——昔、メリュジーヌが陸地にやってきたばかりの頃、好意を示そうと何かと人間に贈り物をする子が大勢いた。しかし、そこにつけ込む悪人がいたことで、多くのメリュジーヌが危険な目に合ってしまった。そのことに対処すべく、ヌヴィレットはすべてのメリュジーヌに自ら人間に物を贈る行為を禁ずると通達したのだ——つまり、ヌヴィレットの特別な指示がないかぎり、そのメリュジーヌの警察隊員が自らリオセスリに食べ物を贈るなどありえない話。 よく考えた末、シグウィンは新しい手紙を書き始めた。 「親愛なるヌヴィレットさんへ、ウチはついに彼も知らない秘密を見つけたのよ…」
メリュジーヌにとって、人間の生老病死は日が昇り沈むのと同じで、自然の法則に準じたものである。 生老病死はメリュジーヌと人間の最大の違いであるため、ほとんどのメリュジーヌが人間について知ろうとするとき、最初にこのことについて触れる。ただ、多くのメリュジーヌの人間に対する理解はそこで止まってしまう。彼女たちが陸地に上がってくると、まず人間の警戒と排斥に遭う。そのせいで再び水の中へ戻り、人間の短い一生を探求することを諦めてしまうのだ。 しかし、シグウィンは違った。人間に対する好奇心が彼女を陸に留まらせ、「医学」という名の魔法に目を向けさせた。この魔法は非常に不思議なものらしく、生老病死のような自然の法則にすら影響をもたらすことができるという。 シグウィンはその魔法を身につけたいと強く願った。そうすることで、メリュジーヌと人間の間の溝が埋まり、メリュジーヌが真に人間を理解し、人間社会に溶け込むことができるようになると考えたからだ。だが不幸なことに、メリュジーヌが人間社会に足を踏み入れたばかりのその時代に、医学を伝授してくれる人はおろか、その考えに理解を示してくれる人もいなかった。 ある時、彼女は子供たちが「魔女婆さん」と呼ぶ医者に出会った。「魔女婆さん」は彼女の思いを最初から最後まで聞くとこう言った。 「たわけ!医学を何だと思っとるんじゃ?」 その時のシグウィンは「魔女婆さん」の叱責を静かに聞きながら、今回も拒絶されるだろうと心の準備をしていた。しかし、「魔女婆さん」はシグウィンをからかおうとする子供たちをキッと睨みつけ、手でついてくるよう合図した。 「わしについて来なさい。お主に医学のなんたるかを教えてやろう」 そうしてシグウィンは自分の薬鞄をもらい、「魔女婆さん」の後ろについて医術を学ぶようになった。「魔女婆さん」は優れた腕を持つ医者で、また熱心で責任感のある先生でもあった。婆さんに治せない病気はほとんどなく、教えられない医術もほぼなかった。 二人の足跡がフォンテーヌ全域に広がった頃、シグウィンはさまざまな薬の調合方法を覚え、怖い話で子供たちに薬を飲ませる技術も身につけ、そして「魔女婆さん」のことを「先生」と呼ぶようになっていた。 ある日、「魔女婆さん」は旅の途中で立ち止まり、いつもと違う厳かな表情でシグウィンに手伝いを命じた。 「先生、今回の患者さんを治療するには、どんな薬を使えばいいの?」 「もう治せない、痛み止めだけでよい」 先生の口からこんな言葉を聞いたのは初めてだった。シグウィンは動揺しながらも言われた通りの薬を用意した。彼女の目の前で病に苦しんでいた患者が少しずつ平静を取り戻し、家族の一人一人に別れを告げ、そして安らかな最期を迎えた。 夜の暗闇の中、二人は再び旅に戻った。 「世の中には先生にも治せない病気があるの?」 「うむ、そりゃあ大いにある。医学がどんなに進歩したとて、治せん病気はあるんじゃ」 「じゃあ、医学はなんのためにあるの?」 「人間は皆いつか死ぬ。お主から見て、人間は何のために生きとる?」 シグウィンは先生の質問にどう答えればいいか分からなかった。彼女は先ほど目にした別れのことを思い出し、そこから答えを見つけようとした。 「人間の笑顔?それとも涙のために?」 彼女がそう言うと、いつも真剣な表情をしている先生の顔に珍しく優しい微笑みが浮かんだ。 「その問いの答えはまた今度聞こう。それが分かるようになれば、お主は医学のことも、人間のことも理解できるようになるじゃろう」
「フォンテーヌ人はもともと純水精霊であり、その身体は原始胎海の水に溶ける」 かの大洪水はフォンテーヌ人が背負うすべての罪を洗い流すと同時に、この驚くべき事実を明らかにした。そして、シグウィンがその一件から解明した真実は、フォンテーヌの住民の多くを上回っている。洪水の中で負傷した囚人たちに応急手当を施したあと、彼女はひと足先にメロピデ要塞に戻り、封のされたガラスビンの中で数百年間眠っていた一通の手紙を取り出した。 「お主はしっかり約束を守って、あの時わしが不可解に思っておったことをすべて理解してから、この手紙を読んでおるか?」 「まあよい、そう心配することもなかろう。お主はいつだってわしの言うことを聞き、無条件にわしを信頼してくれたからな。じゃからこそ、わしはお主に一つ謝らんとならん。わしは最後にお主に一つ嘘をついたのじゃ」 「あの奇病は人体を溶解させるものだった。体の組織がすべて消えてしまい、限りなく純水に近い液体だけが残るんじゃ。わしは自分を実験台にして自らを死の淵へ追いやっても、その得体の知れない液体から奇病を治す方法は見つけられんかった。ただ一つ、役に立たぬ発見もあった——その液体をある特定の素材と合わせると、フォンテーヌ人にしか効かぬ変貌薬が出来るんじゃ。その薬を使えば、フォンテーヌ人はどんな姿にも変身することができる」 「お主がメリュジーヌであるが故に友を救うことができないと知るまで、何の意味も持たぬ発見だと思っていたのじゃが、お主の話を聞いて、メリュジーヌの体質ならある程度この薬の恩恵を受けることができるやもしれぬと思った。わしの悪あがきも最後には少し役に立つと思ったんじゃよ」 「じゃから、お主に嘘をついた。テーブルに残した薬は不思議な魔法の薬などではなく、わしが溶けた後に、お主に残せる唯一の土産だったというわけじゃ」 「それもまた一種の薬だと思っておくれ。教えたじゃろ?子供たちに薬を飲ませるために、少しばかりの細工を要するときもあると」 その手紙を読み終えると、シグウィンは補われた真相を胸に、先生を弔うための場所にやってきた。 ここは何の変哲もない水辺、墓碑のようなものも見当たらない。当時、先生の遺体は見つからなかった。そのため、失踪と判断した後、服や遺品だけを埋葬するしかなかった。あれから数百年…海水は上昇し続け、形ばかりのお墓もとっくに呑まれてしまった。 シグウィンは先生の嘘を責めなかった。今でも、頬に手を当てればその「嘘」の温かみを感じることができるからだ。 「ありがとう、先生」 シグウィンは手紙を水面にそっと置き、遠くへ流れていくのを眺めた。
フォンテーヌ科学院がまだ空に浮かんでいなかった時代の話——研究員たちは通常の研究業務とは別に、プロジェクトへの資金提供の見返りとして、時々フォンテーヌ廷からの研究開発依頼を受けていた。 依頼のほとんどは地味でつまらないものだが、資金提供者のご機嫌を取るために必要な作業と考えれば何とか耐えられた。しかし、とんでもなく馬鹿げた依頼も稀に届く。そういう困った依頼であった場合、研究員たちは資金を断たれるリスクを負ってでも断ることを選ぶ。 そんなある日、告知板の一番目立つところに何ともおかしな依頼が張り出された。 「緊急依頼:特殊医療設備開発」 「要件:1.小さくて軽量、携帯しやすい。子供の身体でも簡単に持ち運べること。2.救急時に必要とするすべての医療器具を収納できること(既存の医療器具で要件を満たせない場合、追加で器具の開発も必要)。3.通常の健診機能を搭載すること。4.デザインは可愛らしくすること」 告知板の前に集まった研究員たちは眉間にシワを寄せ、ぷるぷると怒りを抑えながら要件を読み終えると、ついには我慢できなくなり声を荒げる。 「なんだこの要件は!厳しい上に矛盾だらけじゃないか!」 「デザインは可愛らしくって…私たちはおもちゃ屋さんじゃないんですよ!」 しかし、依頼を貼った人は動じなかった。 「依頼人はメロピデ要塞にいるメリュジーヌの看護師長だ」 そう聞くと、先ほどまで憤慨していた研究員たちは一斉に黙り込んだ。そして、誰かがこの長い沈黙を破って声を上げる。 「当番のやつが自動的に担当になるのはなしだ。担当は投票で決めるぞ!さっき文句を言ったやつは失格な!」 それから僅か一ヶ月で、シグウィンの手元に要求通りの品が届いた——彼女はそのハート型の医療設備をいつも腰にぶら下げ、それはいつしか彼女のトレードマークとなった。 ただ、彼女はその長くて読みにくい名前——「メリュジーヌ専用携帯型統合医療設備」が今もお気に召さないようだ。
防寒用に新しい手袋を買ったの。ほら、メリュジーヌの丸いお手々に戻った~!
「ロマリタイムフラワー」は、ウチが『ボーテ·フルール』の記事を書くときに使ってるペンネームでね、みんなの投票で決まった名前なのよ。メリュジーヌのお友達と一緒に候補を三つ用意して、掲示板に貼って投票してもらったの。その結果から分かったことは、どうやら人間の美的感覚では「堅盾重甲ヤドカニ」や「アワアワタツノコ」よりも、「ロマリタイムフラワー」のほうが美容関連のテーマに合ってるってことね。
ハ~イ。うん?見覚えのある動き?ふふっ、どうやらもう他のメリュジーヌのお友達と会ったみたいね。そう、身体を少し前に傾けてお手々を素早くふりふりする…これこそ友好を示す挨拶なの。やっほ~!
神の目のおかげで、ウチは障害となるものをいつも簡単に片づけられてきた。それで多くの貴重な治療時間を確保してきたの。うん?障害となるものって何かって?ウチの経験上…良からぬことを企んで治療を邪魔しようとする人もいれば、治療に大人しく協力してくれない患者さんもいてね。あ、けど極端なケースじゃない限り、この力はふわふわでカラフルなバブルを作るために使いたいと思ってるの。だって心を落ち着かせるだけじゃなく、雰囲気を彩ることもできるでしょ?あとバブルに囲まれながら、メリュジーヌのお友達と一緒に綺麗な写真をたくさん撮ったりもするのよ。
ヌヴィレットさんがメリュジーヌ一族をフォンテーヌ廷まで連れてきて、ピッタリな仕事をあてがってくれたの。ウチらはあの方と一緒にフォンテーヌに溶け込もうと頑張って、人間の美しさを感じようと努力してきた。ウチはあの方のことを敬愛してるし、人間のこともすごく好きなのよ。うん?ヌヴィレットさんと人間が同時に水に落ちたらどっちを先に助けるって?簡単よ、ヌヴィレットさんならきっと、ウチと一緒に人間を助けてくれるはずだもの。
メリュジーヌ一族はヌヴィレットさんの眷属だけど、だからといって法律や公平を無視して贔屓してもらえるってことではないの。あの時のウチもヌヴィレットさんの審判をちゃんと受けて、判決を素直に認めた。メロピデ要塞に向かう日、土砂降りだったのを今でもはっきりと覚えてるのよ。でもウチは、ちっともあの雨を冷たいとは思わなかった。あれはすごく暖かくて、まるでヌヴィレットさんの眼差しのような雨だったから…
体調がよくなった後、フレミネさんはわざわざウチにお礼を言いに来てくれたの。とても礼儀正しい子よね。ぽつぽつと小声で話してたから…たぶん普段は自分から誰かに話しかける子じゃないんでしょ?でも、その心はきっと繊細でとても豊かなんだと思うの。だって、メリュジーヌのお友達が描いた絵を夢中になって見てたからね。
メリュジーヌの身体は人間と違うから、ちょうどいい服を買うのが難しいの。ウチも人間の子供の服を着るときは、尻尾をどうするか悩んでたことがあってね…でも嬉しいことに、千織さんがメリュジーヌ向けのオーダーメイドサービスを始めてくれたの。おかげで、今ではどのメリュジーヌのお友達も綺麗な服を着る機会を持てるようになったのよ。
エリニュス周辺に出没する野生の精霊。メリュジーヌに似ているが、「同族」については何も知らない。 人間の言葉をあまり話せず、最初は彼女の口から漏れる断片的な音を頼りに、伝えたいことを推測するしかなかった。 最終的には、彼女がエリニュスを守りたいと願っていることを理解できた。そして彼女を手伝って穢れを排除し、木の根に再び生気を取り戻させた。
メリュジーヌについて、他に…
メリュジーヌにとって、人間の生老病死は日が昇り沈むのと同じで、自然の法則に準じたものである。 生老病死はメリュジーヌと人間の最大の違いであるため、ほとんどのメリュジーヌが人間について知ろうとするとき、最初にこのことについて触れる。ただ、多くのメリュジー…
メリュジーヌ一族はヌヴィレットさんの眷属だけど、だからといって法律や公平を無視して贔屓してもらえるってことではないの。あの時のウチもヌヴィレットさんの審判をちゃんと受けて、判決を素直に認めた。メロピデ要塞に向かう日、土砂降りだったのを今でもはっきりと覚えてるのよ。でもウチは、ちっともあの雨を冷たいとは思わなかった。あれはすごく暖かくて、まるでヌヴィレットさんの眼差しのような雨だったから…
ええ、紹介してあげるわ。メリュシー村では、周囲にある食材でメリュジーヌの口に合う独特な料理を作るの。
そうね。まずは「バーティンの珍奇館」と「千織屋」かしら。とても…かわいいお洋服を取り扱ってるわ。メリュジーヌ専用の手袋まであるの…別に、私はまったく興味ないけど!
あの辺はメリュジーヌたちの住み家で、どこも幸せな雰囲気が漂っていますからね、うん。
薬が持つ効果は確かにすごいのよ。メリュジーヌでも見分けられないほどだもの…
船にはメリュジーヌのガイドがいて、少しばかり…えーっと…豆知識を紹介してくれるわ。楽しみにしててね。
…アサンなのだろうか?これらはすべて、まったく別の世界のことであり、運命とはあまり関係のない版があるのかもしれない。 「ヌヴィレット」という名前の時の彼は、たまにメリュジーヌたち(特にシグウィン)につきまとわれる。彼女たちはスチームバード新聞の星座コーナーやスメールの占星術冊子を持ってきて、占ってみたいと言うのだ。だがヌヴィレットは、自分には命ノ星座がない、もしくは自分の命ノ星座は「ヌヴィレット」座であるなどと…
メリュジーヌはとても若い種族である。
三…メリュジーヌの手…少なくとも私は、まだ写真機を使いこなせないから…
うーん…背が高くて、メリュジーヌとは全くちがう体…分かった、あなたは村の外から来た人ね!
「人生いろいろ」: バターを塗っていないパンは、まるで水を離れたメリュジーヌ。 柔らかくて香ばしくて、泡のように滑らかなバター… はぁ、バターは永遠に食べ足りない。 なんでシェフたちがパンにバターを塗る時は、いつもそんなにうすーく塗るんだろう… 誰か、良質なバターを少し届けてくれないかな?あたしはいつも残業で忙しいからお店へ買いに行く時間がないの。
本当に綺麗な角ですよね。前、触らせていただけませんかってものすごく丁寧にお願いしたことがあるんですけど、ものすごく丁寧に断られてしまいました。霜月の子はメリュジーヌよりもそういうのに厳しいみたいです…
…蛍光植物の果実が複数ぶら下がっている。 『スチームバード新聞』のある記者によれば、水中にあるメリュシー村は薄暗く、時折訪れる旅人はなかなか慣れない。そこで親切なメリュジーヌたちはわざわざ手招きをしているような形の木の枝を選び、現在のような「自然の美」を備えたメリュシー村の街灯ができたのだという。その実、メリュジーヌたちは街灯の歴史について覚えていないのだが…
体調がよくなった後、フレミネさんはわざわざウチにお礼を言いに来てくれたの。とても礼儀正しい子よね。ぽつぽつと小声で話してたから…たぶん普段は自分から誰かに話しかける子じゃないんでしょ?でも、その心はきっと繊細でとても豊かなんだと思うの。だって、メリュジーヌのお友達が描いた絵を夢中になって見てたからね。
ナヴィア線「巡水船」、まもなく出航。私はエルファネ。見ての通り、普通のメリュジーヌガイドよ。
ずっと昔、フォンテーヌの人間とメリュジーヌの関係は今みたいに良好じゃなかった。メリュジーヌがエリナスの血肉から誕生したものだと聞いて、一部の人間はウチらのことを憎み、恐れていたの…それから、ヌヴィレットさんへの不信感からメリュジーヌを信用しない人間もいたし…深く考えずに、自分たちと…
ロアルテさんとアイオーヌくんはまだかな…あれ?メリュジーヌがたくさん来てる。
…ううぅ!こ、来ないで!わ…私はただのメリュジーヌだよ。ぜんぜん美味しくないから!食べても、お腹はいっぱいにはならないよ!
実は、この時計をベースにして、メリュジーヌ専用モデルを製作するつもりだよ。
あっ、言い忘れてたけど、シグウィンみたいなメリュジーヌもいるよ!彼女はメロピデ要塞で病気や怪我をした人たちの世話をしてるんだ。
ふふっ…ぐふふっ…メリュジーヌって本当に可愛いなぁ!ふふ、メリュシー村にしばらく住めたらよかったんですが…どれだけ頼み込んでも、みんな全然うんって言ってくれないんです。一体どうしてなんでしょう?
(メリュジーヌの感覚は人間と異なる…メリュジーヌの目には、そこまで不気味じゃないのかもしれない。)
でもメリュジーヌは酸味にとても敏感…以前、犯罪者がバブルオレンジで買収しようとしてきたけど、結局重い罰を受けていたわ…ふん!
「そうだそうだ!このまま黙って執律庭が解決するのを待っているわけにはいかない。メリュジーヌが本当に危ない目に遭わないよう、一緒に街をパトロールしようじゃないか!」
ん…?わわ、誤解だって!そういう意味じゃない。それに、メリュジーヌはみんな泳ぎが上手だから、心配いらないよ。
メリュジーヌとは親しいと聞いている。君のアドバイスは貴重な参考材料になるだろう。
でも、ウチは他のメリュジーヌより「人間」のことをよく知ってる。人間にはもっと本質的な特徴があって、それは外見に左右されないの。
メリュジーヌがすごく素敵だと思うイベントカードをランダムで2枚手札に加える。
「馬鹿を言うな!もしそれが本当なら、今ごろとっくに水の底に沈んでるさ!最高審判官様は事件の調査のために来たんだ。何でも、何者かがメリュジーヌに脅迫状を書いたとか…」
私たちメリュジーヌはふつう、「しるし」を持って生まれるの。それは私たちがこの美しい世界に来てから初めて貰える、とても重要な記念品なんだよ!
メリュジーヌの身体は人間と違うから、ちょうどいい服を買うのが難しいの。ウチも人間の子供の服を着るときは、尻尾をどうするか悩んでたことがあってね…でも嬉しいことに、千織さんがメリュジーヌ向けのオーダーメイドサービスを始めてくれたの。おかげで、今ではどのメリュジーヌのお友達も綺麗な服を着る機会を持てるようになったのよ。
この国では、枕元にマレショーセ·ファントムのメリュジーヌの人形を置いたり、あのマークのペンダントを付けたりしたら、子供は影に隠れるものを恐れなくなるんだ。
ううん、そうじゃなくてね。メリュジーヌの美に対する意識は人間とかなり異なってて、美しいとか醜いとかで人間の外見を判断することはしないの。
パイモンからメリュシー村での冒険話を聞いた後、マルはパイモンの話と自分の空想を組み合わせ、不思議な植生に覆われた岩石を構築した。 大きな岩石で、上下二つの層に分かれている。一層はメリュシー村でよく見られる平たい巨岩、もう一層は重みを支える卵状の巨岩だ。 小柄なメリュジーヌたちはよじ登るのは得意ではないが、はしごという簡単な道具があれば、滞りなくこの巨岩を上り下りできる!
そういえば、私たちメリュジーヌの秘密についてだけど…
メリュジーヌなら見分けられるよ。私にも仕組みがよく分からなくて、やり方は教えられないんだ、ごめんね。
メリュジーヌも人間の服を着れるの…?