クレーの相棒として登場する小さな存在。
テイワットにやってきたドゥリンが、最初に滞在したのはスメールだった。その頃のドゥリンはまだ人の姿ではなく、皆から「ちびドゥリン」と呼ばれていた。特殊な存在であったが故に、悪者や不届き者に目をつけられることもあったが、ガイドとなった「笠っち」はボディガードをも請け負った。彼のひと睨みで大抵の輩は退いたし、異獣を売買する悪徳商人が雇った傭兵団も彼の相手ではなかった。 それはドゥリンにとって、気楽で楽しい旅だった。テイワット大陸はシムランカほど平和でも美しくもなかったが、ドゥリンはこの新しい世界を気に入っていた。 彼がこの世界に来てから抱いた唯一の不安は、むしろ「笠っち」に関することだった。 おとぎ話から生まれた龍であるドゥリンの目には、誰もが一つの特別な「物語」を持っているものとして映る。「笠っち」とスメールシティで暮らしていた時、ドゥリンは『尻尾の手入れと大きなお耳~雨林とキノコ~』や『帽子の中の大きなお耳~教令院と七聖召喚と龍には難しいジョーク~』など、たくさんの物語に触れることができた。そして、時たま砂漠に行くときは、『砂漠と追いかけっことウルフドッグ』という物語にも出会えた。 ところが、一番長く一緒にいたはずの「笠っち」の物語は、何一つ見えなかったのだ。 ドゥリンは、この疑念を「笠っち」に打ち明けなかった。まだ、一緒に過ごした時間が十分でないと思ったのだ。だから、ドゥリンは彼のそばで、彼の物語を見つけることに専念した。しかし、ほどなくして、ドゥリンは彼のほうから、旅を終えることを提案された—— 「そろそろいいだろう。他の人の世話になるか…あの童話の世界に戻ったらどうだい?」 「ダメだよ、まだ笠っちの物語を見れてないもん!」 ドゥリンは断固として拒否した。彼はいつも通りぶっきらぼうだったが、単に不機嫌で自分を追い払おうとしているわけではないことをわかっていた。本当の理由は、きっとドゥリンの知らない、彼自身の物語の中に隠されているはずなのだ。 これが他の誰かであれば、「笠っち」はきっと何も言わずに立ち去っていただろう。しかし、彼はドゥリンの目に宿る決意を感じ取っていた。そもそも、ドゥリンがテイワットを一緒に旅したいと言い出した時から、彼がドゥリンの願いを断れたことなど、一度もないのだから。そして今回も、歩み寄ったのは彼のほうだった。 「ドゥリン、この世界に君の物語を残してみないかい?」 「この世界に、ボクの物語を残す…?」 「とても重い決断になるとは思う。でもずっと僕の側にいるだけで、この世界のことを知れるとは思えない。だから、もっと遠くへ行って、この世界の美しい部分も、醜い部分も見たうえで、決めてほしいんだ。」 「うん…でも、キミの物語は…」 「もし君が本当に自分の物語を残すことに決めたなら、僕もその物語の中で何かしらの役割を演じることになるだろう。君はその役割だけを覚えていてくれればいい。それが君にとっての、僕の物語になる。」 ドゥリンは長い間考え込んだ。こんな風に話す彼を見るのは、初めてだった——語気に混ざった幾らかの励ましの気持ち、そして気づけないほどわずかに滲む、ほんの少しの懇願。 結局ドゥリンは、その提案を受け入れたのだった。
久しぶりだね、ボクはドゥリン。この前までは「ちびドゥリン」って呼ばれてたけど、見ての通り、もう「ちび」じゃない…まだボクのこの姿に慣れないみたいだね?実は、ボクもまだ慣れなくて…まだまだ沢山のことを学んでいかないとだから、色々、教えてほしいな。
あら、あなたにもバレちゃうなんて。Mのモノマネ、本当に下手みたい…久しぶりね、ちびドゥリンちゃん。おばさまって呼んでくれていいのよ。
何なら、ちびドゥリンと相談してみるか…?
#栄誉騎士のとちびドゥリンのお兄ちゃん!今日の大冒険の話を聞かせてよ!
あれからしばらく経ったけど、ちびドゥリンはうまくシムランカの世界に馴染めてるかな?
不思議な童話の本を受け取った後、パイモンと一緒に不思議な世界「シムランカ」にやってきた。シムランカでは、仲間たちと様々な冒険を繰り広げた——しかし最終的に、ここが魔女「M」の童話をモデルにして作られた世界であることが分かった。この世界で、一行は「ドゥリン」という名前の小さな龍を救った。ちびドゥリンはみんなと友達になった。そして、いつかみんなが助けを必要とすることがあれば、今度は自分が力になると約束してくれたのだった…
久しぶりだね、ボクはドゥリン。この前までは「ちびドゥリン」って呼ばれてたけど、見ての通り、もう「ちび」じゃない…まだボクのこの姿に慣れないみたいだね?実は、ボクもまだ慣れなくて…まだまだ沢山のことを学んでいかないとだから、色々、教えてほしいな。
#栄誉騎士のとちびドゥリンのお兄ちゃんは、大冒険しに行くの?でもクレー、今日はジン団長にここを離れちゃだめって言われてるんだ…帰ってきたら、冒険のお話を聞かせてね!
「初めまして。まだ君のことをどう呼ぶべきか分からないが、Mの子であるなら、とりあえずちびドゥリンと呼ばせてもらおう。」
その時はおまえもこのちびドゥリンみたいに寝てたんじゃないか?だから覚えてないんだろ。
テイワットにやってきたドゥリンが、最初に滞在したのはスメールだった。その頃のドゥリンはまだ人の姿ではなく、皆から「ちびドゥリン」と呼ばれていた。特殊な存在であったが故に、悪者や不届き者に目をつけられることもあったが、ガイドとなった「笠っち」はボディガードをも請け負った。彼のひと睨みで大抵の輩は退いたし、異獣を売買する悪徳商人が雇った傭兵団も彼の相手ではなかった。 …