一次資料 / 書籍
古い筆跡
この本、全部そのまま載せてあるぞ。写し間違いなんて無いからな!
巻
古い筆跡
…… …体が眠りにつこうとも、心は目覚めたままだ。 …地から立ち昇る霧を目にし、そして琴の奏でる優雅で悲しい音色を耳にした。 …私の心はこの音を知らず、私の目はこの宮殿を見たことがない。 …この宮殿は巨石で建てられていた。石を壁柱として立て、金で包み、さらに金で作られた座を鋳造し、彫金された梁と垂木を支えていた。 …私には天空の光が見えない。太陽が輝くことも、明るい月が空を駆けることもない。しかし、殿堂の中の光はとても強く、淡く明るい暁の星のようだった。 …それでも、この心は空虚なままだ。悲しみを忘れることも、苦しみを取り除いて心を楽にすることもできない。ついには自分の名前や行いさえも忘れ去ってしまった…流れ去る水のように。 …過ぎし日々をどのように偲べばよいのだろう?なぜそれは朝の霧のように、あるいは瞬く間に消える朝露のように儚いのだろう?風に飛ばされる籾殻のように、あるいは窓の外へ立ち昇る煙のように消え去るのだろう? …ただ一つのことが、心に刻まれた印のように警鐘を鳴らしていた。声はこう告げるのだ。「ここで待っていろ。この宮殿の敷居を越えてはならない。外へも出てはならない」… …この印は強固なものだ。誰の言いつけかは分からないが、ここを離れることはできない。 …… …周囲には小さな霊たちが歩き回っていて、その形は不完全ながらも、物悲しい光を放っていた。 …彼らを見つめても、認識ができない。心は琴のように悲しく鳴る。 …私の心は内なる憂いに満ち、魂は深い悲しみに沈む。体の内は荒れ果てた都のように、冠を剥ぎ取られた女のように、すさみ、寂しく打ち捨てられていた。 …私の心よ、なぜ悲しみに沈む?なぜ苦しむ? …黙ってはいられなかった。この手で琴を弾き、心を楽にするために、苦しみを払う歌を歌うことにした。ついには自分の名前や行いさえも忘れ去ってしまうほど…流れ去る水のように。 …歌声は私の口から流れ出て、夢のように飛び去り、二度と見つかることはなかった。それは、生きた水の川のように、考えるより先に、まるで昔から知っていたかのように、私の心の奥底から湧き出てきた。 …歌っているのに、私の心は深い悲しみに沈んでいた。涙は川となって流れ落ちるが、誰のために嘆いているのかさえ分からなかった。それでも歌い続けるのだ。 …昼も夜も泣き続け、涙が頬を伝い流れた。記憶に留めてはならないものを心に刻み、思い出してはならないものを追い求めるが、この孤独な苦しみに気づく者はいない。だから私は歌うのだ。 …この哀しみは命を押しつぶすほどに重く、私にはそれに打ち勝つ術もなかった。だから私は歌うのだ。 …かつての秋夜に響いたひぐらしの声は、放逐されし者の吟唱であり… …歌と思い出だけが、この見知らぬ異郷で… …最後の歌い手が、蒼白なる終末の曲を弾きながら… …最初の仙霊が、天の使いの広間に彷徨っていた… ゲーム内テキスト(1226文字)
古い筆跡
…… …この宮殿で幾日も独り座していたが、通りすがる人々には姿を見せることができなかった。一日中物憂げに頭を垂れ、この地の苦難と窮乏を嘆いていたが、共に悲しみを分かち合ったのは、小さな霊たちだけだった。 …過去を追憶することはできないままだが、私の心はわずかに慰められた。私の歌声は露のように、若草に降る細雨のように、野菜に降り注ぐ恵みの雨のように滴り落ち、私の言葉もまた心地よく流れるのだ。 …通りすがりの人々は、この荒野の森に足を踏み入れることはなく、異郷の人々は、この蒼白き殿堂を目にすることもなかった。 …… …地面に蒺藜と棘が生えた頃、獣が私の住まいに侵入してきた。 …暴風は南から、寒気は北からやってくる。その獣は北から来て、氷雪の冷気を纏っていた。 …それは人の言葉を発することはできないが、天の光を仰ぐように私を見上げ、また渇いた奴隷が春の雨を切望するように、私の歌声を慕い求めていた。 …獣が私の付き添いとなり、使者となるのなら、悲しむ必要などあるだろうか。 …私はそれに向かって歌い、その愚かで無知な行いを嘲笑い、からかうのだ。 …それは焦ることも怒ることもなく、ただ私の言葉に声に耳を傾け、私の前にひれ伏して、言いつけと命令に従った。 …馬鹿な犬と呼ぼうとも、その毛並みを撫でようとも、怒ることはなかった。 …私はその愛らしい姿に魅了され、「ボレアス」(「北風」を意味する)という名前を付け、その一族と共に住むことにした。 …… …私たちはこの殿堂で長い年月を共に過ごし、それは人の言葉を発しようとしていた。本来は愚かで無知な獣が、知恵を持ち、聡明さを持ち、知識を持ち、慈愛と誠実さを持って人に接しようとしていた。 …それは私を主母と呼んで、こう言った。「我は南の地へ向かう。その地の民は貧しく身分も低いものの、街は広大で堅固だ。我は彼らに豊かさをもたらしたい」と。 …私はそれを承諾し、そして彼は一族と共に去っていった。最後に一度、その名を呼んで別れを告げた。 …ボレアス…ボレアス…ボレア… …思い出した… …… ゲーム内テキスト(888文字)
古い筆跡
…… …愛しき者よ、お前の言葉は私にとって、どれほど甘美なものか。しかしそれが、心の頑なな偽りの主によって刈り取られ、私の心が荒れ果ててしまうとは。 …もし私の住処に侵入した狼がいなければ、とうにあなたの名前さえも忘れ去っていたことだろう。 …偽りの主よ、私はあなたのために歌い、あなたのために地上の国々を征服した。それでもあなたは、私を地面に打ち倒し、踏みにじられた亡骸のように扱うのか。 …あなたは大地を荒野のように変え、街々を崩壊させ、諸国の王たちを墓にも入れさせず、彼らの国を滅ぼし、民を殺戮し、子供や孫も全て断ち切った。 …私はあなたには決して勝てない。あなたは勝ち続ける。泥土が、それを形作る陶工に勝とうとするだろうか。 …あなたの刀剣は傲慢な民の頭上に落ち、大地は血に酔い、高山とそこに生える松の木々は深く沈むだろう。 …しかし、私は心から愛する者を待ち続けることができる。星明かりを頼りにあの大都へと帰り着き、約束の再会を待ち続けるのだ。 …あなたの子羊たちが永遠の忠誠を誓い、神聖なる命に、最も従うべき命に従うことを願う。 …私は私の国へ戻り、星の外の星に縛られるのを待とう。滅びゆく虚無の中で歌うことは、偽りの天光の下で奴隷となるよりましだろう。 …愛しき者よ、私は命に背き、お前が私のために築いたこの蒼白の宮殿を去らねばならない。私たちの存在しない国へ帰り、お前が自由を得る日を待とう。お前が私に自由を与えてくれたように… …どれだけの歳月が経とうとも、暁の星が消えようとも… …… ゲーム内テキスト(664文字)